マーク金井の試打インプレッション

ピン G20 ドライバー

2011/08/23 10:00

打ってみると?

試打クラブは9.5度の純正Sシャフト(TFC330D)。ワッグルすると手元側が硬いのがダイレクトに手に伝わってくる。それもそのはず、振動数は271cpm。ヘッドは見た目に相応しくやさしく作られているが、シャフトはハードなセッティングだ。長さは実測で45.25インチ(ヒールエンド法計測)、クラブ重量は310.1g。手元側が重く作られているシャフトも影響しているのだろう。バランスはD2と重過ぎず軽過ぎず。そしてワッグルすると、実際の数値よりもヘッドが少し軽く感じる。

9.5度表示でリアルロフトは11度。フェースアングルは-0.5度。ヘッドをポンと置くとフェースは目標をビシッと指す。スライサーよりもフッカーの方が構えやすい顔付きだ。

アイアンでじっくりウォームアップした後、1発目からしっかり振り抜くと・・・ストレートから軽いフェード弾道。G15同様、G20も重心距離は長めだ。ヘッドの返りがゆったりなのでボールが捕まり過ぎない。弾道は高打ち出し、低スピン。打ち出し角は14~15度とやや高めで、スピン量は2300~2700回転。キャリーだけでなく、ランも稼ぎやすい。前作G15と同様、低スピン弾道がオートマチックに打てる。

インパクト音も高めで爽快感を味わえる。フェースは弾き感が強く、球離れは早めなので、クラブ任せに直進性の強い弾道が打った方がやさしい。スイートエリアは見た目通り広く、G15よりもさらに広がりを感じる。ヘッドが返りづらいのでフェースを開いてアウトサイド・イン軌道に打つと球を捕まえづらくなるが、反面、シャットフェースに上げてインからあおって打ってもつかまり過ぎない。スライサーがドローを打つには適さないが、左右の曲がりを抑えたい人や、クラブでチーピンや引っかけを軽減した人には、ミスに対する許容範囲が非常に広いドライバーだ。

シャフトは振動数が示す通り硬めだ。切り返しで中間部分が小さめにクッとしなり、ややゆったりしなり戻る。ヘッドスピードが43m/s以下だと硬さを感じてタイミングが取りづらいが、45m/s以上で打つとシャフトがインパクトゾーンで心地良く加速し、力強い弾道で飛距離を稼げる。手元が硬いタイプなので、タメをキープできる中・上級者と相性が良いシャフトだ。

使いこなすにはある程度のパワーが要求されるが、ヘッドはスイートエリアが広くてミスに強い。低スピン弾道で飛距離も稼げる。ヘッドの特性を考えると、スライサーよりもフッカーと相性が非常に良いドライバーだ。

クラブを計測してみると?≫
1 2 3 4 5
ピン
ヘッドの重みで力強い弾道が得られる
発売日:2011/09/02 オープンプライス