マーク金井の試打インプレッション

ピン i20 ドライバー

2012/05/29 10:00

打ってみると?

試打クラブは9.5度の純正Sシャフト(プロジェクトXブラック6.0)。ワッグルすると手元側が硬いのが手に伝わってくる。振動数は266cpm。ヘッド同様、シャフトもハードなセッティングだ。長さは実測で44.75インチ(ヒールエンド法計測)、クラブ重量は312gでバランスはD2。重いヘッドが装着されている割りにはバランスはそれほど重くなっていない。

アイアンでじっくりウオームアップした後、1発目からしっかり振り抜くと‥‥軽めのフェード弾道。見た目よりも捕まらない。G20同様、i20も重心距離はかなり長めなのだろう。ヘッドの返りが遅いのに加えて、オープンフェースなのが影響しているようだ。弾道は低スピンの放物線弾道。打ち出し角は13~14度とほどよい高さで、スピン量は2300~2700回転。ハードヒッターでも吹き上がりづらく、キャリーとランで飛距離を稼げる。スピンが多いゴルファーにはやさしく飛ばせるドライバーだ。

インパクト音は控えめでボールを包み込むような感触が手に伝わる。球離れが遅めなので、それなりに球筋を打ち分けられる。スイートエリアは見た目通り広く、アスリート向けの中ではミス対する許容範囲が広い。ただし、ヘッドが返りづらいのでフェースを開いてアウトサイド・イン軌道に打つと球を捕まえるのが難しい。ボールをしっかり捕まえる技術がある人の方がイメージ通りの弾道を打ちやすいだろう。

また、ヘッドが返りづらいのでクラブでチーピンや引っかけを軽減した人には、ミスに対する許容範囲が非常に広いドライバーだ。シャフトは振動数が示す通り、かなり硬めだ。切り返しで中間部分が小さめにクッとしなり、ややゆったりしなり戻る。ヘッドスピードが43m/s以下だと硬さを感じてタイミングが取りづらいが、45m/s以上で打つとしっかり叩ける。プロジェクトXブラックは、しなり戻りでヘッドを加速させるタイプではなく、自分でしっかり叩ける人の方が扱いやすく感じるシャフトだ。

使いこなすにはある程度のパワー、そして球を捕まえる技術が求められるが、ヘッドはスイートエリアが広くてミスに強い。そして、何よりも低スピン弾道で飛距離も稼げる。ヘッドの特性を考えると、スライサーよりもフッカーと相性が非常に良いドライバーである。

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ピン
上級者好みなつや消しブラック
発売日:2012/03/03 オープンプライス