ミズノ MP CRAFT H4 ドライバー
打ってみると?
試打クラブのスペックはロフトが9.5度。シャフトは純正(QUADH4)で、硬さはS。リアルロフトは10.25度でフェースの向きは-0.25度。数値はオープンフェースになっているが、構えると少しフックフェースに見える。ワッグルするとシャフトは中間部分が軟らかく大きめにしなる。振動数は243cpm。アスリート向けのシャフトとしては軟らかい設定だ。長さ45インチ。クラブ重量は317gでバランスはD2となっている。
シャフトの硬さに合わせて、まずはヘッドスピード43m/sぐらいで打ってみると、「スパーン」とやや低めの金属音。インパクトではボールを包み込むような心地良い感触が手に伝わる。
ヘッドスピードを46m/sに上げて弾道計測してみると、やや高めの弾道。フェース中央付近で捕らえると2700~3000回転。重心はそれほど低くなさそうだ。ちょっとフェースの上側で捕らえると、スピン量は2300~2600回転と理想的になり、放物線弾道で飛距離を稼げた。そして驚いたことに、フェース上側で捕らえてもボール初速が落ちない。芯を捕らえた時に近い感じの反発が得られる。H4はフェース上側で捕らえた時に、効率良く飛距離を稼げる。捕まりはニュートラル。真っ直ぐ打とうとスイングすれば真っ直ぐ飛んでくれる。重心距離は極端に短くなさそうだ。
シャフトは典型的な粘り系。トップからダウンの切り返しでは中間部分がグイッとムチのようにしなる。ダウンからインパクトにかけてもムチのようにグイッとしなり戻る。ヘッドスピードが45m/s以下なら気にならないが、それ以上ヘッドスピードを上げてしまうと切り返しでシャフトがしなり過ぎ、ゴルファーによってはタイミングが取りづらく感じるかも知れない。ヘッドはアスリート向けだが、こと純正シャフトに関してはアスリートよりもアベレージゴルファーを意識したセッティングである。
そしてシャフトの影響で、操作性は今ひとつ良くない。シャフトのしなりが大きいために、自分の意思をヘッドに伝えづらいのだ。球を左右に曲げたい人には、ちょっと物足りないかも知れない。ヘッドはマニュアル系だが、シャフトはオートマチック系である。
ヘッドは低スピンが打て「飛び」のポテンシャルが高い。叩けば叩くほど飛距離が伸びる手応えがある。反面、純正シャフトはソフトスペックなので、ゆったり振りたくなるように仕上がっている。アスリート向けのヘッドにやさしいシャフトの組み合わせ。少しパワーが落ちてきたアスリートゴルファー、軟らかいシャフトが好きなアスリートゴルファーが使えば、飛距離アップを狙えそうなドライバーである。