マーク金井の試打インプレッション

ダンロップ ゼクシオ プライム ドライバー(2013年モデル)

2013/01/22 13:00

打ってみると?

試打クラブはロフト10.5度。シャフトは純正シャフトのSR(SP-700)10.5度表示でリアルロフトは13.5度。フェースアングルは+4.25度。見た目は普通のフックフェースだが、数値的にはフックフェースの度合いはかなり強めだ。シャフトは軽くて軟らかい。ワッグルすると中間から先端がムチのように大きくしなる。硬さの目安となる振動数は211cpm。SRとしてはかなり軟らかい。一昔前の女性用シャフトと同じぐらいだ。クラブ重量は272.4gでバランスがC7.5。これもまた、女性用に近いスペックである。長さはメーカー値、実測値とも45.75インチ(※ヒールエンド法計測)。

まずはシャフトに合わせてヘッドスピードを40m/sぐらいに下げて打ってみた。軽く振っているのにヘッドスピードが予想よりも上がり、スパーンという中金属音とともにボールが高く飛び出した。「前に前に」というよりは「斜め上に、斜め上に」という感じだ。重心の深さもさることながらリアルロフトが多いので、3Wで打ったかのような高弾道がオートマチックに打てる。スピンもそれなりに入るから、ランで飛距離を稼ぐことよりも、とにかくキャリーが出るタイプだ。

ヘッドスピードを46m/sぐらいに上げて打つとさらに高く上がる。シャフトはムチを振ったかのように大きくしなる。弾道計測してみると、打ち出し角度は14~16度と高く、スピン量も3000回転を越えてくる。スピンを減らすべく、わざとダウンブロー気味にそして、フェース上部で捕らえるとスピン量は2700回転ぐらいまで減り、距離がグンと伸びてきた。

距離計測後、再び、ヘッドスピードを遅めにして打ってみた。フックフェースが強いので捕まりが良いが、印象に強く残ったのが、インパクトゾーンでのヘッドの走り。ヘッドが軽めなことに加えて、シャフトの先端の走りっぷりが良いからだろう。軽く振っても、自分がイメージするよりも10%ぐらいヘッドスピードが出てくれる。パワーが落ちてきたシニアゴルファーには、この「ヘッドの走り」は心地良さになってくれる。反面、ヘッドが男性用としては軽いために、ヘッドスピードの割にはボール初速は出てくれない。重いヘッドが好きな人、重いヘッドになれた人には、インパクトでのあたりの「弱さ」を感じるかも知れないドライバーでもある。

見た目通り、パワーが落ちたシニアゴルファー、そしてスライスやコスリ球に悩むゴルファーにとっては、捕まった球が打ちやすく、そして楽に飛距離を稼げる。今回のゼクシオプライムはヘッドスピードが38m/s以下のシニアゴルファー、そしてややパワーがある女性にちょうど扱いやすく仕上がっている。従来モデルよりも1g重くなったとはいえ、相対的に見えればヘッドは軽い。今回もゼクシオプライムも、軽いヘッドが好きなゴルファーと相性良く仕上がっている。

クラブを計測してみると?≫
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