マーク金井の試打インプレッション

テーラーメイド グローレ リザーブ ドライバー

2013/04/09 09:00

打ってみると?

試打クラブはロフト9.5度。シャフトは純正のGL550(フジクラ製)。ノーマルポジションに設定してアドレスしてみると・・・フェースはほんの少し左を向いた感じだが、数値的にはフェース角は±0度。スクエアフェースだ。リアルロフトは10.25度。

シャフトはシニアゴルファーを意識しているのだろう。Sにしては軽くて軟らかめだ。ワッグルすると中間から先端部分が大きめにしなる。長さは46インチで総重量が283.1g。バランスはD1.5。硬さの目安となる振動数は248cpmとなっている(長さはヒールエンド計測)。

まずはシャフトの硬さに合せて軽めにスイングして打ってみると・・・「スパン」と心地良い音とともにボールが素早く飛び出した。「カーボンは音が今ひとつ」という常識はこのドライバーにはまったく当てはまらない。音の良さにもこだわりを強く感じる。

弾道はストレートから軽いフェード。ヘッドの挙動的には捕まらない。操作性は高くなく、慣性モーメントの大きさを生かして直進性が強い弾道がオートマチックに打てる。

印象に残ったのがスイートエリアの広さ。メーカーが強くアピールしているだけあって、芯を外してもヘッドがブレにくく、飛距離ロスが少なくて左右の曲がりも少ない。ミスに対する強さは、兄弟モデルのグローレよりも1枚も2枚も上手である。

その一方で、ちょっと気になったのがフェースの厚み。普通のティアップだとフェースの上側でヒットしづらく、かなり高めのティアップが求められる。加えてフェースがかなり分厚いのでフェースの下半分に当たってしまうと、スピンが増えた弾道になって飛ぶ弾道が打ちづらくなるのだ。左右のミスにはかなり強いが、上下の打点位置を揃えるにはそれなり技術が求められるだろう。

弾道計測してみると、長尺効果でヘッドスピードが上がり、それに伴ってボール初速も上がっている。ヘッドがやや軽めなので、ヘッドスピードを46m/s以上に上げて打つと、初速の伸び方がやや鈍った。フェースセンター付近で捕えるとスピン量が2700~3000回転。フェース上側で捕えるとスピンが減って2300~2600回転となって飛距離を稼げた。

ヘッドの操作性はあまり高くなく、ドロー、フェードの打ち分けは難しい。オートマチックに直進性の高い弾道が打てるドライバーである。純正シャフト(GL550)のSは、切り返しで中間部分が大きめにしなり、ダウンからインパクトにかけては、しなった分だけしなり戻る。シャフトの先端部分が軟らかいので、インパクトゾーンで心地良い加速感を味わえるシャフトだ。

巨大なフェースを採用することで左右の打点のブレに対しては、ものすごくミスに強く仕上がっている。巨大なフェースをメリットとして受けいられるゴルファーには、飛距離と方向性の両方を得られる革新的なドライバーだ。つかまり具合を考慮するとスライサーよりもフッカーと相性が良いドライバーである。また、重めのシャフトを装着すれば年齢を問わず扱えるドライバーになってくれる。

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テーラーメイド
発売日:2012/11 オープンプライス