ミズノ MP CRAFT 513 ドライバー
打ってみると?(弾道は)
試打クラブは9.5度のS。シャフトはミズノ純正(MPクワッド)。リアルロフトは8度と非常に少なく、フェースの向きは-2度。アドレスするとフェース面はほとんど見えず、フェースはやや右を向いている。スライサーよりもフッカーが構えやすい顔つきだ。フェースの厚みは約53ミリ。それほど分厚くはない。
シャフトはワッグルすると手元から中間のしなりを感じる。振動数は258cpm。アスリート向けだけあって硬めの設定だ。長さはヒールエンド法計測で44.75インチ(メーカー公称値は45インチ)。クラブ重量は317.5gでバランスはD1。今どきのドライバーの中では重めの部類に属する。
アイアンでじっくり肩慣らししてから打ってみると・・・パシューンと控えめな金属音とともに、低めのストレート弾道。オープンフェースだが捕まりは悪くない。見た目よりも重心が深めなのだろう。ダウンからインパクトにかけてヘッドが帰りやすく仕上がっている。アウトサイド・イン軌道でカットに打つとスライス系の弾道にはなるが、素直に振ると捕まりの良い弾道が打ちやすい。少しインサイドからヘッドを入れてやるとイメージ通りのドローが打てる。
インパクトの感触はMPシリーズならでは。芯で捕えるとフェースにボールが吸い付くような手応えを味わえる。球離れも遅く感じるので、球筋を打ち分けやすい。スピン量は少なく、オートマチックに低スピン弾道が打てる。重心が低いことに加え、リアルロフトが少ないので、芯で捕らえても2400~2700回転。フェースの上側で捕らえると1500~2200回転ぐらいとグッと減る。ヘッドの挙動をコントロールしやすいのでプロ、上級者が使えば、スピン量を自分で調整できるドライバーである。
シャフトはトップからダウンの切り返しで中間部分がしなり、しなった分だけしなり戻る。先端側が硬めなのだろう。インパクトゾーンでヘッドがアッパーに動きづらく感じた。トルクが少ないので、シャフトの挙動はシャープだ。
リアルロフトが少ないので高弾道は打ちづらいが、見た目よりもハードなドライバーではなかった。10.5度を選択すればボールも上がりやすくなるので、バリバリのハードヒッターだけでなく、セミハードヒッターにも扱いやすいドライバーである。