マーク金井の試打インプレッション

藤倉ゴム工業 Air Speeder

2014/04/01 09:00

打ってみると?

シャフト試打で使うヘッドはテーラメイドの初代グローレ。シャフトが脱着できるタイプなので、同じヘッドでシャフトを打ち比べられる極めて便利なドライバーである。超軽量なので46.5インチで組み上げた。

ワッグルしてみると、シャフト全体がムチのように大きくしなる。女性用シャフトと同じか、それ以上に軟らかく感じる。シャフトは手元から先端まで大きくしなるが、先端側がひときわ軟らかい。

実際に打ってみても印象は変わらない。ヘッドスピードを35m/sぐらいに遅くして打ってみると、切り返しでシャフトの中間部分が大きめにしなり、ダウン後半からインパクトにかけてはシャフト先端側がムチのように鋭くしなり戻る。ゆっくり振ってもヘッドが走り、なおかつ捕まりが非常に良い。ワッグルするとやや頼りない感じはするが、実際に打つとシャフトの挙動は安定しているので打点の位置もブレにくい。

印象に残ったのが軽さとトルク感。軽いのでとにかく楽にヘッドスピードが上がる。パワーがない人にとって、この軽さは何よりも魅力だろう。トルク値についてはシャフトのねじれが大きいのだが、これが妙に心地良い。硬さとねじれのバランスが良いので、トップからダウンの切り返しでクラブをプレーンに乗せやすいのだ。アウトサイド・インの軌道に悩んでいる人も、このシャフトを使えば、道具でインサイドから振り下ろす感覚を養えるだろう。

ただし、トルク値が大きいので操作性は高くない。自分の意志は伝わりづらく、オートマチックに直進性が高い弾道を打つのに適したシャフトである。ヘッドスピードを45m/s以上にして打つとさすがにしなり過ぎるが、それでも振り遅れることなくヘッドがちゃんとついてきてくれた。

Speederシリーズの中で最軽量なAir Speeder。並外れた軽さもさることながら、スイング中にシャフトのしなりを感じとりやすい。ヘッドスピードが遅いシニアや女性には、飛距離アップの期待に大いに応えてくれるシャフトだ。

【適正ヘッドスピード】
30~38m/s

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藤倉コンポジット
発売日:2014/03 参考価格: 45,000円