トライファス バシレウス アルファ(Basileus α)
シャフトの挙動
シャフト試打で使うヘッドはテーラーメイドの初代グローレ。シャフト脱着式なので同じヘッドでテストできる。ロフト角は表示9.5度。調整機能でリアルロフト角を10.5度にしている。試打するシャフトは60g台のS。ヘッドが少し軽めなので、46.5インチで組み上げた(※60度法測定)。ワッグルしてみると手元から中間部分が硬め。特に中間部分に腰の強さ(張り)を感じ、先端側だけがしなる。しなりのフィーリング的には典型的な弾き系タイプだ。
実際に打ってみても挙動は変わらない。切り返しで手元側がほんのわずかにしなるが、ダウンスイングでシャフトは「ムチよりも棒」に近い。そして、ダウン後半からインパクトにかけてはシャフト全体が小さく鋭くしなり戻り、インパクトゾーンではシャフト先端側の加速感も適度に味わえる。シャフトの挙動としては弾き系。先端側が軟らかめなのだが、ヘッドがアッパーに動く度合は少ない。
試打して強く感じるのが反発の高さ。インパクトではシャフトがしなり戻るパワーが効率良く伝わり、ボールを強く弾き出す。高反発感を強く感じるシャフトで、実際、ボール初速も出ている。しなり戻りのスピード感はそれほど速くないのに、ボール初速が出やすい不思議なシャフトである。そして、もうひとつ不思議なのはシャフトのしなり戻りのスピード感。ヘッドスピードを47m/sで打っても、44m/sぐらいで打ってもしなり戻るタイミングがほとんど変わらない。しっかり叩けるシャフトであるが、ヘッドスピードの適合領域が広いシャフトでもある。
弾道はストレートから軽いドロー。ボール初速が出ており、スピン量は適度。高めの弾道で飛距離を稼げた。弾道計測してみると、いい感じで捉えると打ち出し角は12~14度でスピン量が2400~2900回転。ヘッドがアッパーに動きづらいがスピンは適度にかかる。
方向性に関してはニュートラルだが、手元と中間側が硬いので、挙動はシャープ。トルクが小さいので、良くも悪くもゴルファーのスイングに対してシャフトの追従性が高い。ダウンで手首のコックが速くほどけると挙動をコントロールしづらくなるが、手首のタメをちゃんとキープできるとシャフトの追従性の良さが生かされ、飛距離アップを狙えるシャフトである。
【適正ヘッドスピード】
60S:44~49m/s