マーク金井の試打インプレッション

タイトリスト 915 D2 ドライバー

2014/11/25 09:00

打ってみると?(弾道は)

試打クラブはロフト角9.5度のS。シャフトは純正の“タイトリスト・スピーダー515”。リアルロフト角はノーマルポジション(A-1)で9.75度。フェースの向きは-4.75度。アスリート向けなのに加え、ソールの座り具合の関係もあってオープンフェースの度合いが強い。フェースはやや面長。重心距離が長く、かつ重心が深く見える顔付きをしている。

シャフトはワッグルすると中間部分が大きめにしなる。硬さに合わせて、やや軽めにスイングしてみると、カキーンという甲高い金属音とともにボールが力強く飛び出した。913も金属的なインパクト音だったが、915ではさらに音が派手になっている。

球筋は軽いフェード弾道。ヘッドは返りやすいのだが、ノーマルポジションはオープンフェースの度合いが強いこともあってボールが捕まりきらない。個体差があるかも知れないが、弾道調整でフェースの向きを少しフックにした方が、ヘッド本来が持っているニュートラルな性能、重心の深さによる捕まりの良さを引き出せそうな感じがする。

そして印象に残ったのが、フェース下側で打った時の弾道。普通、フェース下側で打つとギア効果の影響でボールの打ち出しが低くなってスピンは増えるが、この『915 D2』に関しては、その常識が当てはまらない。下側で捕らえてもボールがそこそこ上がってくれるし、ボール初速もほとんど落ちない。ソールに刻まれるスリット(溝)の効果でスイートエリアが明らかに前作913よりも広がり、上下のミスに対する許容範囲が格段に大きくなっている。

ヘッドスピードを46m/sに上げて弾道計測してみると、フェース中央付近でヒットするとスピン量は2600~2800回転。重心はやや低めだ。フェース上側で捕らえるとスピン量は2000~2400回転となり、低スピン弾道で飛距離を効率良く稼げた。

純正シャフトの“タイトリスト・スピーダー515”は切り返しでは、シャフトの中間部分がクイッと大きめにしなり、ダウンからインパクトにかけてはしなった分だけしなり戻る。中間部分が軟らかく、典型的な中調子の粘り系。切り返しでしなりを感じ取りやすく、タイミングが取りやすいタイプである。

弾道調整機能は付いているが、基本的なヘッド挙動は捕まりがニュートラルで、スイートエリアも広くミスに強い。アスリート向けだがアマチュアにも使いこなせるやさしさを兼ね備えている。ノーマルポジションでのオープンフェースの度合いが強いが、これは調整機能で補正できる。飛び性能の高さもさることながら、ゴルファーを選ばない扱いやすさを兼ね備えたオールマイティなドライバーである。

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タイトリスト
発売日:2014/11/14 参考価格: 64,800円