マーク金井の試打インプレッション

ダンロップ ゼクシオ プライム ドライバー(2015年)

2015/06/16 09:00

打ってみると?(弾道は)

試打クラブはロフト角10.5度表示で、リアルロフト角は12.5度。フェース角は+2度。見た目も、実際の数値も、フックフェースだ。シャフトは純正シャフトのSR(SP-800)で、軽くて軟らかい。ワッグルすると中間から先端がムチのように大きくしなる。硬さの目安となる振動数は212cpm。シニア向けとはいえ、実際は女性用シャフトと同じくらい軟らかい。クラブ重量は255.6gで、バランスがD0.5。前作に比べると15g以上も軽くなり、これもまた女性用シャフトに近いスペックである。長さはメーカー値45.75インチで、実測値が46インチ(※60度法計測)。

まずはシャフトに合わせて、かなりゆったり振ってみた。軽く振っているのに、インパクトゾーンではヘッドがビュッと走り、スパーンという乾いた金属音とともにボールが高く飛び出した。インパクトでヘッドがアッパーに動くのだろう。打ち出されたボールは高く、キャリーが出るタイプだ。前作よりも重心が深いことが影響しているのだろう。低スピン弾道を打たせることよりも、ヘッドスピードが遅くても高弾道が打ちやすい。

ヘッドスピードを46m/sくらいに上げて打つと、さらに高く上がる。シャフトは軟らかいムチを振ったかのように大きくしなる。弾道計測してみると、打ち出し角は14~16度と高く、スピン量も3000回転を超えてくる。スピンを減らすべく、わざとダウンブロー気味にそして、フェース上部で捕らえる。すると、スピン量は2600回転くらいまで減り、距離も伸びてきた。ただし、ヘッドスピードを上げても、ボール初速は思いのほか上がらない。ヘッドが軽いことが影響しているのかもしれない。

弾道計測後、再び、ヘッドスピードを遅くして打ってみた。クラブ全体が軽いだけでなく、ヘッドも軽く感じる。その影響で、軽く振った時の方が、シャフトもきちんとついてくるし、ヘッドスピードも効率良く上がる。クラブの特性を考えると、ヘッドスピードが遅い人の方が飛距離を稼げるドライバーだ。

つかまり性能は前作同様、見た目通りに優れている。フッカーにはつかまり過ぎる怖さがあるが、スライサーにもドローが打ちやすく感じる。

見た目通り、パワーが落ちたシニアゴルファー、特にスライスによる飛距離ロスに悩むゴルファーにとっては、つかまった球が打ちやすく、そして楽に飛距離を稼げる。ヘッドスピードが38m/s以下のシニアゴルファー、そしてパワーがある女性にちょうど扱いやすく仕上がっている。

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