マーク金井の試打インプレッション

ミズノ MP-5 アイアン

2015/11/03 09:00

打ってみると?(弾道は)

試打クラブに装着されるシャフトは、重量スチールのトゥルーテンパー ダイナミックゴールド。硬さはS200。クラブ重量は442gで、バランスはD2。硬さの目安となる振動数は339cpm。ロフトは34度で、長さは36.75インチ(いずれも7番アイアンの数値/60度測定法での計測)。ワッグルすれば、ズシッと重さが手に伝わり、シャフトは手元側がわずかにしなる。

7番アイアンで打ってみる。すると、1発目は軽いドロー弾道。ヘッドが小ぶりで、重心距離が短め。だから、インパクトゾーンでヘッドが素早くターンする動きが手に伝わる。マッスルバック形状ならではのシャープな挙動だ。今度は意識的にヘッドをややアウトサイドから入れて打つと、イメージ通りのフェードボールに。見た目通り、操作性が高く、球筋を左右に打ち分けるために適したアイアンである。

そして印象に残ったのが、重厚な打感。芯を捕らえると、ビシッと分厚い手応えが伝わる。軟鉄鍛造のクラブは打感の良さが特徴だと言われるが、その中でもMP-5 アイアンはひときわ心地よい振動・感触が手に残る。それは、良質な素材を採用することに加え、打球面(フェースの肉厚)が分厚く設計されていることが強く作用しているのだろう。

ソールの形状は丸みが強いが、バウンスも適度に効いている。ダウンブローにヘッドを入れると、地面をしっかり捕らえ、なおかつ抜けが非常に良い。ソール幅はかなり狭いが、ソールがしっかりと地面とコンタクトするのが分かる。

弾道が高めなのは、ロフト角の大きさが影響している。7番アイアンで34度もあるので、ボールは高く打ち出され、スピンもしっかりかかる。弾道計測してみると、打ち出し角が21度前後で、スピン量は6100~6300回転。グリーンにしっかり止められる弾道が打てる。

装着したシャフトがダイナミックゴールドなので、振り切るにはかなりのパワーが必要だ。軽くスイングするのではなく、体を使ってしっかり振らないとヘッドスピードが出せないし、クラブの性能も引き出しづらい。

マッスルバック形状だが、見た目よりミスの許容範囲が広く、やさしく感じられる。今どきのキャビティアイアンに比べればハードで、ある程度の技術とパワーが求められるが、昔ながらのアイアンらしいアイアンだ。ドライバーのヘッドスピードが44m/s以上で、球筋を打ち分けてグリーンを狙いたい中・上級者には、非常に満足度が高い仕上がりである。

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ミズノ
発売日:2015/09/18 参考価格: 123,120円