藤倉ゴム工業 ZERO Speeder
2016/04/05 09:00
シャフトの挙動
シャフト試打で使うヘッドはテーラーメイド グローレF ドライバー。ロフト角は表示10度で、リアルロフトが10.5度前後。ワッグルするとシャフト全体がムチのようにグワッと大きくしなり、女性用シャフトよりも軟らかい。そして何より、クラブが非常に軽く感じられる。
実際に打ってみても印象は変わらない。シャフトに合わせてヘッドスピードを35m/sぐらいで打ってみると、切り返しでシャフトの手元から中間部分が大きめにしなり、ダウン後半からインパクトにかけてはシャフト先端側がムチのように鋭くしなり戻る。ゆっくり振ってもヘッドが走り、なおかつ捕まりが非常に良く、ヘッドの入射角も安定している。
振った感じは少し頼りなさがあるのだが、実際はヘッド挙動が安定しているので打点位置が安定し、芯を喰いやすい。
そして絶妙なのがトルク感。スイング中のシャフトのねじれが大きいのだが、これが妙に心地良く感じる。硬さとねじれのバランスが良いので、トップからダウンの切り返しで打ち急ぎのミスが出づらく、クラブをプレーンに乗せやすい。ヘッドが遅れて下りるので、インサイドから振り下ろしやすいのだ。
ただし、トルク値が大きいので操作性は高くない。シャフトのしなりにタイミングを合わせ、オートマチックに直進性が高い弾道を打つのに適したシャフトである。そして、ヘッドスピードを上げて振った時よりも、ヘッドスピードが遅めの時の方が、心地良いしなり感を味わえる。ヘッドスピードが30m/sぐらいでもしなりを利用してヘッドを走らせることができるシャフトである。
世界最軽量の軽さを実現したZERO Speeder。ヘッドスピードが遅いシニアやレディースゴルファーに、新たな選択肢を与えてくれる最先端なシャフトと言えるだろう。