ミズノ MP-55 アイアン
打ってみると?(弾道は)
試打クラブに装着されるシャフトは、軽量スチールのN.S.PRO 950GHのSフレックス。クラブ重量は414.3gでバランスはD1。硬さの目安となる振動数は333cpm。ロフトは32度で、長さは36.75インチ(いずれも7番アイアン/60度法計測値)。軽量スチールが装着されていることもあり、見た目ほどはハードに感じない。ワッグルすると手元がしっかりしていて、中間から先端にかけて少ししなる。
まずは7番アイアンから打ってみた。1発目はストレートから軽いドロー弾道。見た目通り重心距離が短く、インパクトゾーンでヘッドが素早くターンする動きが手に伝わる。マッスルバックアイアンと同じく、ヘッドの挙動はシャープだ。ボールを捕まえにいけばイメージ通りのフェード弾道になった。
打感も見た目通りで、芯を喰うとビシッと分厚い手応えが伝わってくる。キャビティ構造はマッスルバックに比べると打感が希薄になると言われているが、この『MP-55 アイアン』にはその常識が当てはまならない。マッスルバックにかなり近い手応えを感じられる。
ソール形状は丸みが強めで、ソール幅はそれほど狭くはないが、ダウンブローにヘッドを入れると、インパクト直後に地面をしっかり捕らえ、なおかつ抜けが非常に良い。
弾道は高めでスピン量は適量、重心が低いことも影響しているのだろう。マッスルバック形状の『MP-5 アイアン』に比べると、スピン量はやや少なめか。弾道計測してみると、打ち出し角が20度前後でスピン量は5700~6000回転。バックスピンをかけて戻す弾道というよりは、落下後のランがほんの少し出る弾道が打ちやすく仕上がっている。
装着されているシャフトがN.S.PRO 950GHなので、ダイナミックゴールドに比べると振り抜きやすい。非力な人向けのアイアンではないが、ヘッドスピードが43m/sぐらいあれば十分使いこなせるだろう。
ヘッドの大きさはマッスルバックに近くて小ぶりだが、低くて深い重心のおかげでボールが上がりやすく、ミスの許容範囲も適度にある。見た目よりもやさしく感じられるアイアンだ。マッスルバック形状のシャープなアイアンを使いたいけど、やさしさも適度に欲しい。そんな欲張りなゴルファーの期待に応えてくれるアイアンだ。