ミズノ MP-66 アイアン
打ってみると?(弾道は)
試打クラブに装着されるシャフトは、重量級スチールの定番、ダイナミックゴールド。硬さはS200。クラブ重量は442.3gで、バランスはD2。硬さの目安となる振動数は328cpm。ロフトは34度で、長さは36.75インチ(いずれも7番アイアンの数値/60度測定法での計測)。ワッグルすると手元側がクイッと小さくしなる。グリップしただけで、手にズシッと重さが伝わる。
実際に打ってみると、「ビシッ」というソリッドな手応えとともに、フワッと上がる高弾道。ボールの飛び出しはゆっくりだ。インパクトでボールがフェースの上でつぶれる感触がダイレクトに手に伝わり、その感触がなんとも心地良い。打感の正体は「インパクト時に発生する振動」であるが、この振動の伝え方が絶妙だ。アイアンで打感にこだわる人ならば、一発打っただけで心酔するだろう。
ストレート弾道を打つつもりでスイングしたら、軽いドロー弾道。ヘッドが小ぶりで重心距離が短いことも影響しているが、見た目通りに捕まりがすこぶるいい。加えて、操作性も非常に高い。アウトサイドからややカットに入れると、イメージ通りのフェード弾道が打てる。オートマチックに真っ直ぐ打つことよりも、球筋を打ち分けることを求めてくるアイアンだ。
ミスに対する寛容性は見た目通り。キャビティ構造になっているがヘッド自体がそれほど大きくないので、マッスルバックよりはミスヒットに多少強いという感じである。
ソールの形状は幅が狭めで、バウンス角は弱め。硬い地面でもソールが跳ねすぎないので、人工マットで打っても抜けが良く仕上がっている。
弾道は高めでスピンも多め。ロフトが寝ていることが影響しているのだろう。弾道計測してみると打ち出し角が22度前後で、スピン量は6000~6400回転。7番アイアンにしてはスピン量が多めだ。飛びには不利だが、グリーンにピタッと止まる弾道が打てる。
純正装着されているダイナミックゴールドは切り返しで手元側がしなる、典型的な手元調子。重さがあるのでヘッドスピードを上げづらいが、タイミングが取りやすいので弾道が安定する。
ヘッドは小ぶりでシャープだが、マッスルバックに比べるとミスヒットに対する許容範囲が少し広がっている。そして何より、芯を喰った時の「分厚い」手応えは、このクラブの最大の魅力だ。アイアンの打感、そしてクラブの顔にこだわるゴルファーには、大いに期待に応えてくれるアイアンだ。