PXG 0311 アイアン
打ってみると?(弾道は)
試打クラブに装着されるシャフトは、重量フローがなされているカーボンシャフト、フジクラのMCIブラック80。硬さはS。クラブ重量は397.3gで、バランスはD1。硬さの目安となる振動数は297cpm。ロフト角は31度で、長さは37インチ(いずれも7番アイアンの数値/60度測定法での計測)。
まずは7番アイアンから打ってみた。1発目はやや高めのストレート弾道。手に心地良い振動が伝わる。手応えとボールの飛び方がイメージ通りなのが、なんとも心地良い。
インパクトではボールの飛び出しはやや早めで弾き感がある。フェースの薄さも感じられる。なのに、インパクトでは吸い付くような感触が手に伝わる。ヘッド内部に埋め込まれている樹脂の影響なのだろう。弾き感と心地良い打感の両方が味わえる。
ソールはフラット(平ら)でバウンス角が大きい。インパクト時にソールがしっかりと地面とコンタクトするので、ダウンブロー軌道でヘッドを入れた時、手に心地良い振動が伝わる。
操作性も適度に高く、アウトサイドからややカットに入れるとフェード球、インサイドからヘッドを入れるとイメージ通りドロー球が打てる。
そして印象に残ったのが、スイートエリアの広さ。中空構造、そしてヘッドの重量配分が上手いのだろう。見た目よりもスイートエリアが広く、ミスにかなり強く仕上がっている。このおかげで、芯を外した時でも距離の落ち込みが少なく仕上がっている。
弾道は適度に高めでスピンも適度。弾道計測してみると打ち出し角が19度前後で、スピン量は5700~6100回転。7番アイアンとしては平均的なスピン量。グリーンにピタッと止まる弾道が打てる。
今回装着されているMCIブラックは、切り返しで手元側が少ししなる、切り返しのタイミングが取りやすく、シャフト的にはスチールシャフトよりもボールが上がりやすい。
芯を喰った時の手応えは心地良く、飛距離もイメージ通り。ヘッドは凝った中空構造にもかかわらず軟鉄鍛造だ。
オリジナリティあふれるデザインに目を奪われるが、クラブの性能としてはミスに強く、飛びも実現。操作性も適度に高い。飛びとやさしさ。そして打感にもこだわるゴルファーには、大いに期待に応えてくれるだろう。