マーク金井の試打インプレッション

コンパクトながら打点ブレに強い「テーラーメイド M3 アイアン」

2018/05/15 05:00

打ってみると?

試打クラブに装着されるシャフトは、軽量スチールの「日本シャフト NSプロ 930GH」のSフレックス。シャフト重量は98グラムで、「N.S.PRO 950GH」に比べると数グラム軽く、しなりを感じやすくなっている。

まずは9番アイアンから打ってみた。やや小ぶりなヘッドであるが、フェースの弾き感が鋭い。その影響もあって球離れが早めだ。フェースが弾き過ぎる感じが手に残るが、弾道は落ち着いている。打点が多少ブレても球の高さ、スピン量に大きな変化がなく、距離のバラつきも少ない。左右のミスだけでなく前後のミスが出にくく、安定した弾道がオートマチックに打てる。

7番アイアンに持ち替えると、さらにフェースが鋭く弾く。フェースが弾くのでボール初速が上がり、弾道も力強い。球離れの早さが少々気になるが、9番同様、7番も弾道が安定している。

7番で弾道計測してみると、打ち出し角は18~20度で、スピン量は4600~5000回転。ロフト角が30.5度あることを考えると、スピン量はやや少ない。重心がかなり低いことがスピン量から察することができる。スピン量がやや少ない分だけ、飛距離がしっかり出ている。

7番だとボールが落下後、8ydぐらいランが出そうだ。スピンで止めるというよりは、ボールの高さで止めるイメージで打ちたいアイアンである。

印象に残ったのがバウンス。見た目通りにバウンスが効いており、インパクトゾーンではソールが跳ね上がって、ロフトが少し立つのが手に伝わる。ダフり気味に入っても飛距離のロスが少なく、ミスに強い。

見た目の通り、ストレートネックでボールがつかまり過ぎない。ヘッドの操作性も適度に高いので、ドロー、フェードが打ち分けやすく仕上がっている。

5番アイアンも打ってみたが、こちらもボールの打ち出しがやや高く、スピンがやや少ない弾道。グリーンで止まることよりも、飛びを重視したチューニングがなされている。

すべての番手に共通しているのは、見た目よりもスイートエリアが広いことと、打点の上下のブレに強いこと。フェースの弾き感については好みが分かれそうだが、前後のミスが出にくい点は大いに評価したい。

飛距離アップを願いつつも、正確な距離感を求める中・上級者にとっては、期待に応えてくれるアイアンである。

クラブを計測してみると?≫
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テーラーメイド
バックフェース側に2本のバーを配置した「リブコア」を採用
発売日:2018/02/16 参考価格: 116,640円