マーク金井の試打インプレッション

低スピン&飛び要素満載の2代目「PXG 0811X GEN2 ドライバー」

2019/01/29 05:00

打ってみると?

試打クラブはロフト角10.5度。PXGはメーカー純正シャフトがなく、今回は三菱ケミカルの米国モデル「TENSEI CK BLUE」の50グラム台、Rフレックスが装着されている。

ワッグルすると手元側から中間部分にしなりのポイントがある。Rフレックスであるが、かなりしっかりしており、長さは44.5インチと短めだ。

まずはシャフトの挙動をチェックしながら打ってみた。「スパーン」と乾いたインパクト音とともに、中ぐらいの弾道でボールが飛び打出した。インパクト音は前作よりも抑えた感じになったが、フェースの弾き感は強く、球離れも早めである。

ストレートボールを打つつもりでスイングしたら、1発目は軽いフェード弾道。2発目、3発目も同じく軽いフェード弾道となった。前作と同様に、この「0811X GEN2」も左のミスが出づらい挙動が手に伝わる。重心距離はそれほど長く感じないが、重心が浅めなのだろう。右にスッポ抜けるというほどではないが、インパクトゾーンでヘッドが返りやすいタイプではない。

試しにインサイド・アウト軌道で意図的にフックを狙って打っても、軽いドロー弾道。ボールがつかまり過ぎず、引っかけ、チーピンが出にくいドライバーである。

前作との違いを感じるのがスピン量だ。前作よりも明らかにスピンが少なく、オートマチックで低スピン弾道が打てる。ヘッドスピードが遅いとボールが上がり切らない怖さもあるが、スピンが少ないのでキャリーが出やすいだけでなく、ランでも飛距離を稼げる弾道が打てる。

ヘッドスピードを46m/sくらいに上げて弾道計測しようと試みたが、実はそこまで上がらなかった。普段使っているドライバーよりもシャフトが1インチ短いことと、ヘッドの重さに負けてしまい、頑張って振っても45m/sが精一杯となった。

結果45m/sで弾道計測してみると、打ち出し角が12.5度前後で、スピン量は2300~2700回転。ことさらフェースの上側で打とうとしなくても、ラフから打った時のような棒球となり、低スピン弾道で飛距離を稼げた。

装着シャフトの「TENSEI CK BLUE」はオーソドックスな中調子で、トップからダウンの切り返しで中間部分がほどよくしなり、しなり戻りのスピードはそれほど速くない。インパクトゾーンでヘッドが鋭く走るタイプではないので、しっかり叩けるシャフトだ。先端の剛性が適度に高いので、シャフトの特性としては左のミスが出づらいタイプである。

前作同様、ヘッドもシャフトも左へのミスが出にくいので、スライサーよりもフッカーの方がイメージ通りの弾道を打ちやすい。ドローやフックが持ち球で、クラブで左へのミスを軽減したいゴルファーや、スピンを減らして飛ばしたいゴルファーにとっては、大いに期待に応えてくれるドライバーだ。

クラブを計測してみると?≫
1 2 3 4 5