RMX 220 アイアンを筒康博が試打「RMX版『UD+2』」
ヤマハ「RMX 220 アイアン」の評価は!?
ヤマハから発売された2020年モデルRMXシリーズの中で、飛びとやさしさに特化した「RMX 220 アイアン(以下220)」をピックアップ。前作よりソールとフェースをより薄肉化することで、反発力をアップさせた「220」。同シリーズ「RMX 120 アイアン(以下120)」「RMX 020 アイアン(以下020)」と比較しながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?
「“プラス2番手”に匹敵する飛距離性能」
―率直な印象は?
「このモデルをひと言で表すなら、“RMX版『UD+2』”といったフレーズではないかと思います。同社のぶっ飛び系である『UD+2』シリーズは、プラス2番手の飛距離性能というコンセプトで、この『220』もそれに匹敵するほどの飛びを実感しました」
―プラス2番手の飛び…?
「そうですね。2番手までは行きませんが、それほどの飛距離性能は持ちあわせている感覚です。ただ『UD+2』と異なる点は、トータルの飛距離で稼ぐというよりも、キャリーの距離で稼ぐという点。歴代の『RMX』シリーズの中では、間違いなく一番キャリーで飛ばせるアイアンだといえます」
―操作性は落ちる?
「ヘッド自体の操作性はそれほど高くはないですが、純正シャフトはスチールとカーボンで長さが異なるため(※スチール NSプロRMX95:7Iで37インチ、 カーボン TMX-520i:7Iで37.25インチ)、打ち込みたい人は短めのスチール、払い打ちたい人は長めのカーボンを選べば、それぞれ理想的なヘッド軌道を描ける仕掛けとなっています。またつかまりも良く、飛距離も十分出せるので、住友ゴム工業『ゼクシオ』の安心感と『UD+2』のぶっ飛び性能が混ざったような、『RMX』シリーズの新しい境地といったモデルに仕上がっています」
―「120」と比べてどう?
「『120』はクロムモリブデン鋼という素材を鋳造して使っていることで、とても弾きが良く、重心コントロールが行き届いていて、直進性が高いです。サイズ感がしっかりあるものの、大きすぎず、分厚すぎない、オフセットもそれほど大きくない。オーソドックスな印象で構えやすい。すべての項目で非のないオールマイティさが魅力です」
―「020」と比べてどう?
「『020』は、ザ・軟鉄の国産アイアンという印象。フェードヒッターが好むオフセットのなさに、ストレートフェースで小ぶりなサイズ感。キャリアの長いゴルファーが好む、薄めのトップライン。まさに軟鉄アイアンのDNAを受け継ぐ、稀有な存在ではないかといえます」
―どのような人向き?
「『RMX』シリーズは、これまで谷口徹選手や藤田寛之選手の要望に応えて作られている部分が大きかったと思うのですが、確かに『RMX』のアイアンは秀逸なモデルが多い印象です。いま誰もが知っているヤマハのアイアンといえば『UD+2』となってしまっていますが、その要素がちゃんと『RMX』に反映されているのに、PRされているのがドライバーばかり…というのが少し残念。ですから、ドライバー選びに悩む前にアイアンをまず先に選んでからのほうが、『120』or『220』の選択肢がスムーズに選びやすいのかもしれません」
寛容性が5点満点! 【総合評価4.2点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.0
【寛容性】5.0
【操作性】3.5
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:29度(7I)
・使用シャフト:NSプロ RMX 95/硬さS
・使用ボール:ロッテ葛西ゴルフの専用レンジボール(ツーピース)
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ロッテ葛西ゴルフ
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