クラブ試打 三者三様

JAWS ウェッジを筒康博が試打「スピン量が安定して高い」

2020/07/16 05:00

キャロウェイ「JAWS ウェッジ」の評価は!?

まさにジョーズの如く、力強くボールを噛み、バックスピンでグリーンを噛むキャロウェイ「JAWS ウェッジ」。「37Vグルーブ」と呼ばれる新採用の溝形状により、フェース上の溝のエッジ部分が規制の範囲内で最大限に鋭角なものになったという。そんな“スピンモンスター”をヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?

「他モデルとは全く違う“スピン力”」

※目標80ydを狙った平均弾道/ロフト角52度

―率直な印象は?
「『JAWS』という名前の印象に引っ張られているわけではないですが、スピン性能は、他モデルとは全然違うと言えるくらい高いです」

軟鉄鋳造、クロムツアーグレー仕上げ

―具体的にどのように高い?
「フルショット、ハーフショット関係なく、HSが落ちても、スピン量自体の減少が非常に少ないです。近距離でもしっかりスピンがかかりますし、距離が長くてHSが速くても急に増えすぎない。いろいろな距離において、安定して高いスピン性能を発揮してくれるモデルです」

ボール下に入れやすいイメージが湧くリーディングエッジ

―構えやすさは?
「キャロウェイフリーク(大ファン)の人以外でも、構えやすいサイズ感とリーディングエッジの適度な丸みがあります。フェースを開いて良し、閉じて良し。ストレートにオートマチックに狙っても良し。すごくバランスがとれた形状をしていて、これを悪く言う人はあまりいないのではないかと思わせるほど、完成度の高さを感じます」

ソールのトウ先にロフト・バウンス・グラインドの表記あり

―完成度の高さを感じる…?
「はい。キャロウェイの過去モデルの中でも、一番デザイン性が高いところも魅力的です。ビジュアル面の所有感にプラスして、しっかりスピンがかかるイメージからか、自分の技を引き出してみようという意欲が湧く。結果的にコントロールミスも減るので、安心感がもてる。そういう意味で、キャロウェイ史上断トツに完成度が高いと言っても良いかもしれません」

グラインドも多種多様。画像はSグラインド/ロフト52度、バウンス10度

―名器『Xシリーズ』『マックダディ』よりも…?
「そうですね。ただ、個人的な感想としては、私はスピンを強くかけて攻めるタイプではないため、ここまでかからなくても良いかなとは思います。元々バックスピンがかかりすぎる上級者にも、イメージが合わないという人は少なくないかもしれません。また、弾道の高さと方向性が良いという評価も、スピン性能の高さに比例しているわけではありません。そこはまた別ですかね」

落ち際のスピンの利き具合に注目していた筒

―どのような人向き?
向上心の高い全ゴルファー向けと言って良いと思います。初心者の方でもアプローチを極めたいという思いがあり、単品ウェッジを求めるなら、一度試しておくべきモデルではないでしょうか」

やはり「スピン性能」満点!【総合評価4.3点】

【スピン性能】5.0
【打 感】3.5
【抜け感】4.0
【バンカー対応力】4.5
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:52度、56度
・使用シャフト:ダイナミックゴールド S200
・使用ボール:千代田ゴルフセンター専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、千代田ゴルフセンター

■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール

プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。

キャロウェイ
新発想の溝で“鋭さ”がアップ スピン性能はかつてないレベルへ
発売日:2019/09/20 参考価格: 25,300円