クラブ試打 三者三様

GLIDE 3.0 ウェッジを筒康博が試打「高さで止めるウェッジ」

2020/07/30 05:00

ピン「GLIDE 3.0 ウェッジ」の評価は!?

ドライバーの売り上げが好調のピン。同社のウェッジ「GLIDE(グライド)」シリーズの新作「GLIDE 3.0 ウェッジ」は番手別に溝が設計され、ロフト角54度から60度は前作から溝を一本増やし、どんなライからでもしっかりスピンがかかると評判だ。そんなピン自信作を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?

「ソールの滑りを感じやすかった」

※目標80ydを狙った平均弾道/ロフト角52度

―率直な印象は?
「今回試打したモデルがハイバウンス(バウンス角:12度と14度)だったこともあり、すごくソールの滑りを感じやすかったです」

ソール形状でバウンス角も異なる。同じ56度でもSSは12度、EYE2は10度、WSは14度

―ソールの滑りを感じやすい?
「はい。ソール幅もバウンスの当たりも、大きくダフッたとしても適度に滑るように造られているので、ミスショットが減るのだと思います。今回試打はしなかったですが、『EYE2』などのバウンス角が少ないモデルでも(ロフト角56度でバウンス角10度)、きちんと地面にバウンスが跳ねてくれる感覚があります」

ハーフキャビティのアイアンかと思うようなバックフェース

―弾道の印象は?
「スピン性能が高いというより、元々の打ち出しの高さをすごく感じます。『i210 アイアン』『G710 アイアン』といった、ピンの人気アイアンにある“高打ち出し・高初速”という特性が、『GLIDE 3.0 ウェッジ』にも踏襲されている印象を受けます。打感が硬いとか弾いているというわけではなく、きちんとロフト角なりの高さが出せる。少々トップしても、高さが出る。高さで止めるウェッジという認識をもちました」

両モデルとも52度SS・56度WSと同スぺックで比較

―前作「GLIDE 2.0 ウェッジ」と比べてどう?
「どちらも打音が高めで、打感は少し硬く感じられます。比べてみると、『2.0』のほうがやや硬く感じられたので、フェースのどこで当たっているのか、明確に把握しにくい部分がありました。『3.0』のほうが全体の形状と、インサート樹脂の配置などから、フィーリング通りにボールが打てる。打音と打感の良し悪しで言えば、『2.0』より確実に向上していると言えます」

左が3.0、右が2.0。トウ側の丸みやリーディングエッジの見え方までほぼ一緒

―見た目の違いは?
「スコアラインの一番下の白線は、特に気になりませんでした。全体的な印象やサイズ感は、すべて一緒です。大きめのキャビティアイアンのつながりで考えているため、ヘッドサイズは両方とも大きめ。芯が広い部分も一緒。高さが出るところも一緒。あえて違いを挙げるなら、『3.0』は『2.0』にフィーリングがプラスされたというところでしょうか」

打ち出しの高さを確認しながら試打を行っていた筒

―どのような人向き?
「ピンのアイアンを使っている人は、このモデルを使ったほうが良いと言えます。構えた時の安心感、ボールの飛び出し方を踏まえても、アイアンからのつながりを強く感じとれます。ピン以外でも、飛び系アイアンを使っている人全般におすすめ。飛び系を使っている人は、スピンでギュギュッと止めるイメージより、高い打ち出し角でボールを飛ばす感覚のほうが合わせやすいからです」

3.0点△から5.0点◎まで【総合評価3.9点】

【スピン性能】3.5
【打 感】3.0
【抜け感】4.0
【バンカー対応力】5.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:52度 バウンス角:12度 スタンダードソール(SS)
・ロフト角:56度 バウンス角:14度 ワイドソール(WS)
・使用シャフト:Z-Z115
・使用ボール:千代田ゴルフセンター専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、千代田ゴルフセンター

■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール

プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。

ピン
発売日:2019/09/06 参考価格: 23,760円
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