スリクソン ZX5 ドライバーを筒康博が試打「グローバル感満載」
ダンロップ「スリクソン ZX5 ドライバー」の評価は!?
ドライバーに並々ならぬこだわりをもつ松山英樹が、開発直後から実戦投入して結果を出し、話題となったダンロップ「スリクソン ZX5 ドライバー」。剛性の高いエリアと低いエリアを交互に配し、大きなたわみを生む「リバウンドフレーム」を搭載した新モデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?
「ハッキリ言って飛ぶと思う」
―率直な印象は?
「このモデルはハッキリ言って、飛ぶと思います。振れた分だけ、ボールがちゃんと飛んでくれる印象です。飛ばし屋の人ほど純粋に強い球が出せると思いますし、ミスをすればちゃんとミスヒットと分かるクラブ。完成度の高さを実感できるモデルに仕上がっていると言えます」
―特に飛びにつながる要素は?
「特に特出しているポイントは、純正の標準装備で、カスタムモデル『ディアマナ ZX50』が入っている点です。前作までの『Miyazaki』シリーズではなく、世界中のトッププレーヤーにも使用されているブランドと組み合わたことで、飛距離性能に十分応えてくれる証になっています。シャフトとヘッド、どちらも“グローバル感”と言いますか、世界中の多くの人に好まれそうな要素が詰まっている印象です」
―世界中の人が好き…?
「はい。ヘッドはスクエアフェースで、クラウンのデザインがすごくシンプル。特に左右のどちらを向いているといったクセもなく、自然とアドレスしやすいナチュラルな構造。国内だけでなく海外のマーケットに出しても、海外ブランドに匹敵する性能とデザインだと思います。ただ、一つだけ個人的な感想では、カーボンクラウン特有のこもった打音が、実際の弾き感とのギャップを感じ、厳しい採点(【打感】評価3.5点)にはなりましたが…」
―前作「スリクソン Z585 ドライバー」と比べてどう?
「前作もかなり高評価でしたが、『ZX5』と比べると、正直構えにくさを感じてしまいました。クラウンのヒール側に高さがあり、ターゲットにフェースを合わせる際の向きがしっくり来ない。『ZX5』はそこが解消され、スッキリ見える点が大きな改善点と言えます」
―対抗馬となるモデルは?
「そうですねー…、テーラーメイド『SIM MAX ドライバー』でしょうか。テーラーメイド、キャロウェイといった人気海外メーカーのモデル群に、割って入る国産モデルが出てきたといった感覚。あえて言えば、現在テーラーメイドとキャロウェイを使っている人に、『これも試さないと(食わず嫌いで終わるのは)もったいないよ』と、教えておきたくなるモデルと言っても良いと思います」
―どのような人向き?
「すごくターゲット層の広いモデルに作られていると思うので、いま使っているブランドが『スリクソン』でなかったとしても、一度は試してみる価値があります。シャフトのしっかり感、クラブの重量を考えて、HSは41~42m/s以上欲しいところ。それ以下の人でも扱えなくはないですが、『ZX5』の良さを実感するには、それくらいの速さは必要かなと感じました」
高得点ながらやや厳しめ…【総合評価4.1点】
【飛距離】4.5
【打 感】3.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:10.5度
・シャフト:ディアマナ ZX50(硬さS)
・使用ボール:市川サンライズゴルフセンター専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、市川サンライズゴルフセンター
■ 筒 康博 プロフィール
プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。