クラブ試打 三者三様

タイトリスト TSi2 ドライバーを西川みさとが試打「TS2より断然つかまる」

2021/01/05 05:00

タイトリスト「TSi2 ドライバー」の評価は!?

「ATI 425チタン」という、航空宇宙分野で採用されてきた新素材をフェースに配した「TSi」シリーズの「TSi2 ドライバー」。すでに一般ゴルファーの口コミでは、「初速が上がる」「見た目も打感も評判通り」と評価は上々だ。そんな多くのユーザーに支持を受ける革新的モデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「前作と全く違う印象」

―率直な印象は?
「一番印象的だったのは、前作『TS2 ドライバー』との違いが大きかったことです。『本当に後継モデル?』と疑ってしまうほど、見た目も性能も、全く印象が異なることに、たいへん驚きました」

TS2とは大きく違う印象だと言う西川。フェース素材が要因か…?

―見た目も、性能も…?
「はい。まず、見た目の違いは、その形状。ヘッドの投影面積は『TS2』も『TSi2』も同じくらい大きく、安心感を持てるのですが、『TS2』の形状はやや四角張っていて、独特なイメージが強く、これまでの感覚で構えると少し違和感を覚えます。『TSi2』は丸みがかっている分、オーソドックスな形状で、従来モデルの形に慣れている私にとっては、シンプルな印象で構えやすかったです」

投影面積の大きさは同じだが、形状が異なると指摘

―性能の違いは?
「つかまりやすさが、全然違うように感じます。『TSi2』のほうが断然つかまりやすく、同じように振っていても、『TS2』では右に抜けてしまうような弾道でも、『TSi2』はしっかり真っすぐ飛んで、曲がりませんでした。また、つかまり過ぎることもなく、ドローヒッターの私でも左へのミスを怖がらず、振り切ることができました」

誰もが振り抜きの良さを実感できるという空力性能を極めたヘッド

―飛距離性能の違いは?
「『TSi2』のほうがつかまっていた分、良いイメージでボールを飛ばせる感覚があります。トラックマンの数字(平均飛距離:215.9yd)以上に、実際はもっと飛んでいる印象。打っている時のフィーリングは、数値では表せないほど好感触です」

長さ:45.5インチ、硬さ:SR~TourS、重さ:46g、トルク:5.8度、キックポイント:中(※全て硬さSの場合)

―新しくなった純正シャフト(TSP110 50)が影響している?
「そうですね。これまでもヘッドに合わせた純正モデルは数多く出ていましたが、『TSP110 50』は、同社製のオリジナルモデルなので、特にヘッドとの相性の良さを感じます。やはり同社が作ったヘッドには、同社が一番研究に時間と労力を重ねてきていると思うので、そのマッチングは折り紙付きといったところでしょうか」

「何だか打ちやすい」と感触の良さを口にする西川だが…

―どのような人向き?
「やさしくつかまりやすくなったとはいえ、そこはツアーモデルの『タイトリスト』。女性ゴルファーにマッチするレベルとまでは言えません。ただし、男性ゴルファーであれば、非力な人からパワーのある人まで、どんなゴルファーにもマッチしてくれる性能になっていると思います」

数字に出ない→飛距離3.5点△【総合評価3.8点】

【飛距離】3.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】3.5

・ロフト角:10度
・シャフト:TSP110 50(硬さSR)
・使用ボール:市川サンライズゴルフセンター専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、市川サンライズゴルフセンター

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

タイトリスト
高い許容性が生み出すストレート弾道
発売日:2020/11/13 参考価格: 82,500円