SIM2 MAX-D ドライバーを筒康博が試打「MAXとの差は操作性」
テーラーメイド「SIM2 MAX-D ドライバー」の評価は!?
発売から約一カ月が経ち、ウェブ上で一般ユーザーの反応が多く見られるようになったテーラーメイド「SIM2」シリーズ。中でもドローバイアスのかかった「SIM2 MAX-D ドライバー」は、飛距離性能とともにやさしさを期待する声に応えたモデルとして評価は高い。そんな革新的モデルのひとつを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?
「フェースの開閉を管理しやすい」
―率直な印象は?
「ヘッド自体の操作性が良く、自分でフェースの開閉を管理しやすいモデルという印象です。ドローヒッターの私にとって、思い通りにフェースを閉じていく動きがスムーズに行えたり、逆につかまり過ぎを抑え、逃がして打つこともできたり、フェースの操作を体感しやすいモデルと言えます」
―フェースの操作を体感しやすい?
「はい。兄弟モデル『SIM2 MAX ドライバー』と比べ、同じ体積460ccなのに、深低重心の高慣性モーメントな印象をあまり感じません。シャフト周りの慣性モーメント値を若干低く抑えた設定にすることで、『MAX』よりスイートスポットの位置が近くに感じられ、ボールを包み込むような感覚を出しやすい設定にしていると思われます」
―筒さんも含め『MAX-D』を支持する声が多いような?
「確かに言われてみると、『MAX-D』派は結構多いかもしれません。おそらくシャフトのこだわりが強いタイプで、ヘッドにもシャフトの挙動を生かしてくれる操作性を求める人。フェースの操作性を体感できるということは、シャフトの特性を把握しやすく、シャフトと合わせて『MAX-D』を選ぶ人が多いのだと思います」
―どのようなシャフトと合う?
「純正シャフトの『TENSEI BLUE TM50』は、多くの人にマッチするしなり感で、もちろん『MAX-D』のヘッドにも合うモデルです。それを前提に、よりマッチするカスタムを選ぶとするならば、もう少しシャキッとした先端剛性の高いモデルがおすすめです」
―例えばどういうシャフト?
「同じ三菱ケミカル社製であれば、『TENSEI CK プロ オレンジ』『ディアマナ TB』といった軽硬系のモデル。特に私よりHSが速い人なら、『TENSEI BLUE』の振り心地に、もう少し歯ごたえを求めるでしょう。しっかりした特性のものを選んでも良いですし、単純に、純正シャフトの硬さ(フレックス)を一段上げて使用しても良いと思います」
―どのような人向き?
「実は『SIM2』の中で一番ストライクゾーンが広く、好き嫌いが激しく分かれにくいモデルです。理由は、いま使用しているドライバーとの差が小さいこと。ボールのつかまりや上げやすさの寛容性が高く、振り遅れが少ないという面があるので、どんなドライバーとも差が出にくい。シリーズで一番移行しやすいモデルと言えます」
SIM2の他2モデルを超える点数【総合評価4.4点】
【飛距離】4.5
【打 感】5.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:10.5度
・シャフト:TENSEI BLUE TM50(硬さS)
・使用ボール:リトル・グリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトル・グリーンヴァレー船橋
■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。