クラブ試打 三者三様

エピック MAX LS ドライバーを西川みさとが試打「私には宝の持ち腐れ」

2021/03/30 05:00

キャロウェイ「エピック MAX LS ドライバー」の評価は!?

キャロウェイ「エピック」シリーズの低スピンタイプ「エピック MAX LS ドライバー」。「サブゼロ」の後継として高い飛距離性能が期待される一方、ネーミングの中に寛容性を連想させる『MAX』が含まれた。果たして、飛びの一本槍なのか、それともやさしさを両立したモデルなのか!? ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「HS40未満では持ち味が発揮できない」

西川にしては高さが出ず、つかまり切らない球が多かった

―率直な印象は?
「正直、私には難しいモデルです。宝の持ち腐れ的な、もったいない感じがしました(笑)

『低スピンで、たたいて飛ばせる』がMAX LSのコンセプト

―宝の持ち腐れ的な…?
「はい。HSが私くらい(平均35~36m/s)の人が、この『エピック MAX LS』を使ってしまうと、本来持っている性能を引き出し切れないように感じます。たぶん、このモデルは低スピンで強い球がバンッ!と出てくれるところが魅力だと思うのですが、私のスイングだとその域まで達することができない。十分な性能の高さを体感できないというのが、正直な感想です」

AIにより設計された「フラッシュフェース SS21」

―見た目の印象から難しい?
「そうですね。見た目から球が上がりにくく、ハードな印象を受けます。兄弟モデルの『エピック MAX ドライバー』は大型サイズすぎる感じがあり、『エピック SPEED ドライバー』は適度なサイズですが、独特な丸型形状が気になる。『MAX LS』はシャープで扱いやすい形状をしていますが、逆にシビアすぎて、ボールを前に構えてみると無駄な力が入ってしまうほど、プレッシャーを感じるシルエットに見えました」

やさしい印象を抱かせる程よいシャローバック

―同シリーズの2機種(「MAX」と「SPEED」)と比べてどう?
「2機種とは大きな差を感じるほど難しいモデルだと思います。数字ではスピン量が多めに(平均3134rpm)出ていましたが、実際にはボールが上がり切らず、十分なキャリーが出せませんでした。途中で勢いが落ち、球質が急に弱まった印象でした」

スピン量を抑えたいプロや上級者の打点を考慮して造られたフェース構造

―以前シビアと言っていた「SIM2 ドライバー」と比べてどう?
「同時期に発売されたテーラーメイド『SIM2』シリーズの中でも一番難しい『SIM2(ノーマル)』と比べると、『エピック MAX LS』のほうがやさしく感じます。『SIM2』はよりハードな印象。ただ、やさしいと言っても、私でも扱えるイメージが持てるといったレベルの僅差。純正シャフト(TENSEI 55 for Callaway)を軽くして、やさしいスペックに替えたり、ロフト角(10.5度)を12度くらいに大きくすれば使えなくはない、といった具合です」

「調整すれば何とか使えなくもない…」と西川

―どのような人向き?
HS43m/s以上の人ではないと扱い切れないと言えます。男性でもパワーに自信のない人、HS30m/s台後半~40m/s前後のゴルファーには、おすすめできません。40m/s前後の人は『SPEED』、それより低い人は『MAX』と、それぞれに適したHSで『エピック』シリーズを選べば間違いないと思います」

オール3.5点の厳しい点数…【総合評価3.5点】

【飛距離】3.5
【打 感】3.5
【寛容性】3.5
【操作性】3.5
【構えやすさ】3.5

・ロフト角:10.5度
・シャフト: TENSEI 55 for Callaway(硬さSR)
・使用ボール:ドリームゴルフガーデン専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ドリームゴルフガーデン

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。1998年「日本女子学生選手権」にて優勝し、大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場。2002年にプロテスト合格後は、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで活躍。23年国内女子シニア「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ」優勝。

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