クラブ試打 三者三様

コブラ RADSPEED ドライバーを西川みさとが試打「球が上がり切らない」

2021/04/06 05:00

コブラ「キング RADSPEED ドライバー」の評価は!?

2020年発売のコブラ「キング SPEEDZONE ドライバー」に続き、新たな初速スピード性能を備えた「キング RADSPEED ドライバー」が今春発売された。ソール前後にあるウエイトの距離を戦略的に配置することで、低スピン化を実現して強い弾きを生むという。そんな注目モデルをヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「つかまり切らず上がり切らない…」

つかまり切らずに右方向の弾道が多かった

―率直な印象は?
「ボールがなかなかつかまらなかったです。スピン量が少ないからだと思うのですが、ボールがイメージ通りに上がり切らないというのが、正直な感想です」

前方と後方にテクノロジーを駆使して配置されたウエイト

―スピン量は平均2962rpmですが?
「数値的には、まあまあ多いくらいですね。その割に打ち出し角が高く上がらなかった(平均12.9度)ということでしょうか。試打クラブはロフト角10.5度ですし、構えた時の印象もそれほどボールが上がらないようには見えなかったのですが、実際は思うように高さが出なかったです」

全面ミルド加工を施した「新インフィニティフェース」

―初速スピードが速すぎるから?
「初速が速すぎて、ボールが前に前に強く出ることで高さが出ない、というほどではなかったです。やはりヘッドの特性的に私のHS(35~36m/s)では、ボールをしっかりつかまえて、高さを出すまでに至らないと言えます。初速感を瞬間的に感じるというよりも、打った後にインパクトの瞬間を振り返って、まぁまぁの速さかなと感じる程度でした」

後方には8gの固定型と前後に調整可能な2gのウエイトが配置

―試打中に「打感が面白い」と言っていましたが?
「はい。マット素材のクラウンを見て、勝手にやわらかい感触を想像していたのですが、実際打ってみると硬さがあり、見た目とのギャップを感じました。海外メーカーの独特なカジュアルな外見と、真逆のしっかりした打感。そこに同社独特の面白い部分が凝縮されているように感じます」

マット仕上げの「スタンダード」とツヤあり塗装の「XB」「XD」

―兄弟モデル「XB」「XD」と比べてどう?
「『XB』と『XD』は、上から見た感じは、違いが分からないぐらい似ていました。実際に打ってみると、ヒール側にウエイトが付いている『XD』が一番ボールがつかまって、打ちやすい印象です。ウエイトの位置でこれほど弾道が違うのか、と驚いてしまいました」

3モデルの中では「XD」のつかまりやすさを一番評価した西川

―どのような人向き?
「『RADSPEED』(スタンダードモデル)と『XB』は、ボールが上がり切らなかったので、HSは最低でも40m/s以上は必要だと思います。また、ボールがつかまらない結果を見ると、ある程度パワーのある人でないと、シビアに感じてしまうでしょう。それに比べて、『XD』はやさしさを感じることができるので、HS30m/s台の人には、唯一可能性が持てるモデル。ただし、それでも30m/s台後半から40m/s前後の人が、ジャストフィットするように感じます」

4項目で3.5点△とシビア評【総合評価3.6点】

【飛距離】3.5
【打 感】3.5
【寛容性】3.5
【操作性】3.5
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:10.5度
・シャフト:スピーダー エボリューション for RADSPEED(硬さSR)
・使用ボール:ドリームゴルフガーデン専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ドリームゴルフガーデン

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

コブラ
発売日:2021/04/09 参考価格: 71,500円
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