クラブ試打 三者三様

エピック SPEED フェアウェイウッドを西川みさとが試打「3W一本使いもアリ」

2021/04/27 05:00

キャロウェイ「エピック SPEED フェアウェイウッド」の評価は!?

石川遼が前作より+13.2ydの飛びを記録した「エピック SPEED フェアウェイウッド(以下FW)」。フェース裏の2本の柱「ジェイルブレイクテクノロジー」をAIにより設計したことで、ヘッドがたわみやすく、インパクトの力をより無駄なくボールに伝えることができるという。そんな注目のFWを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「予想以上に球が上がって楽♪」

軽いドローボールで理想的な弾道を描いていた

―率直な印象は?
「正直に言えば『思っていたより打てた』といった感じです。同シリーズ『エピック SPEED ドライバー』の印象では、私のHS(平均35~36m/s)だと、それほど楽にはボールが上がらないイメージを持っていましたが、FWは予想以上に高い弾道で打つことができました」

フェースカップ構造の特性を最大限に生かした楕円形の2本のバー

―予想以上にボールが上がった…?
「はい。打つ前のイメージでは、低スピンモデルのFWなので、HSが足りないとドロ~ンとボールが低く落ちてしまう気がしていました。ですが、実際は中弾道からやや高さのある適度な打ち出し角(平均12.9度)で、ボールが楽に上がってくれました。しかも、スピン量が多すぎて弱々しい球筋ではなく、前に前に飛ぶ強さも備わっています。多少ボールが上がらなくても、飛距離を稼げるFWではないかと思いました」

初代エピック STAR(右)と比べると輪郭がはっきり見える

―見た目の印象は?
キャロウェイ独特の丸みを帯びていて、それほど難しさを感じさせないところが好印象です。試打で比較した前々作『GBB エピック スター フェアウェイウッド』の顔も嫌いではないのですが、より丸型でやさしい印象を受けます」

AIがモデル別、番手別に設計した「フラッシュフェース SS21」を採用

―打感の違いは?
「打感は全然違います。『スター』のほうが打感が硬く、しかもスピン量が多いように感じました。『SPEED』の打感はやわらかく、それでいて弾く。前に前に飛んでいる印象もありながら、強弾道で飛んでいる感覚も味わえます。飛距離も方向性も求められるティショット用のスプーン(3W)で考えるなら、断然『SPEED』を選ぶべきかなと思いました」

SPEEDの純正「ディアマナ 50」とSTARの「スピーダー エボリューション」

―シャフト(ディアマナ 50 for Callaway)の印象は?
「スターの『スピーダー エボリューション for GBB』よりしっかりした印象で、ヘッドの性能も加味しているとは思いますが、よりスピン量が少なく出る感じがしました。もう少し全体がしなるタイプのほうが、私のスイングではより飛距離が稼げる気がします。FWとしてはスピン量が少ない(平均3513rpm)ので、シャフトを替えて試してみたいと思いました」

「打感のやわらかさや見た目の構えやすさは高評価だけど…」と西川

―どのような人向き?
「HS30m/s後半からでも扱えるとは思います。ただ、多くの方は、同シリーズのドライバーと合わせて使いたいと思うので、ある程度しっかり振れる人向き。多少ボールが上がり切らなくても、飛距離だけを稼ぐマネジメントとして、スプーン単品として購入しても面白いかもしれません」

シャフトのしなり量で寛容性と操作性は3.5点△【総合評価3.8点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】3.5
【操作性】3.5
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:15度(3W)
・シャフト:ディアマナ 50 for Callaway(硬さSR)
・使用ボール:ドリームゴルフガーデン専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ドリームゴルフガーデン

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

キャロウェイ
「2本の柱」の進化が生んだ、石川遼+13.2ヤードの飛び
発売日:2021/02/19 参考価格: 36,960円