エピック SPEED フェアウェイウッドを筒康博が試打「1Wに比べて軽い」
キャロウェイ「エピック SPEED フェアウェイウッド」の評価は!?
石川遼が前作より+13.2ydの飛びを記録した「エピック SPEED フェアウェイウッド(以下FW)」。フェース裏の2本の柱「ジェイルブレイクテクノロジー」をAIにより設計したことで、ヘッドがたわみやすく、インパクトの力をより無駄なくボールに伝えることができるという。そんな注目のFWを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博の評価は?
「ヘッド性能は文句なし! 唯一の欠点は軽さ」
―率直な印象は?
「同シリーズの『エピック SPEED ドライバー』と同じく、飛距離性能の高い3Wという印象を受けました。ヘッドとしての性能はすごく高く感じます。ただ、ドライバーがちょうど良かった人からすると、シャフトが全く同じモデルなので、FWとしては軽く感じてしまうデメリットが考えられます」
―軽く感じてしまうデメリット…?
「はい。デメリットと言っても、ヘッド性能の高さは申し分ないという前提で、あくまで唯一の欠点として挙げさせていただきます。気になったのは、純正シャフトで50g台の『ディアマナ 50 for Callaway』が、長さは違えど同じ種類という点。ドライバーがマッチした人で、同じモデルでFWを合わせた時に、振り心地が軽く感じてしまう。60g台の『スピーダー エボリューションVII FW 60』やカスタム用シャフトも視野に入れて、購入するとベストだと思います」
―ヘッド性能については申し分ない?
「はい、全く申し分ありません。ヘッド性能については、同社FWの中でも一番飛びを感じると言っても過言ではないからです。特にトップのミスをした時の飛距離ロスが少ない。私はFWを使う時、ダフリたくはないという気持ちから、フェース面の下側で打つクセがあるのですが、それでもボール初速が落ちない。しっかり距離を作ってくれるという点で、とても心強く感じました」
―『GBB エピック スター FW』と比べてどう?
「あえて『エピック』初代モデルと打ち比べましたが、明らかにフェース下部でヒットした時の“カバー力(りょく)”が上がっています。一番下のスコアラインに当てた時に、『スター』と比べて圧倒的にボールが前に飛びました。ティショットも重要ですが、実際に芝の上から打つことを考慮して、進化していることが伝わります」
―やはり石川遼選手の+13.2ydもうなずける?
「正直、プロとアマチュアのFWの捉え方は違うと言えます。プロにとっては3Wの飛距離アップが必要と思うのですが、アマにとってFWは使用頻度が少なく、リスキーなクラブ。一番念頭に置かなければならないのは、飛ぶかどうかよりも、当たるかどうか。多少のミスでも前に飛んでくれるか否かが、FW選びには最重要ポイントとなります。その要件を満たしてくれるのが、今作の完成度ではないかと思います」
―どのような人向き?
「ミスヒットに対する寛容性、芝からのボールの拾いやすさから、オールマイティに全ての項目で万能性を発揮するFWだと思います。FWに苦手意識を持っている人に、ぜひトライしてもらいたいです。しかも最新テクノロジーをFWにも求めている人には、テーラーメイドの『SIM2 MAX FW』と合わせて、購入を検討してみることをおすすめします」
全項目4点台の高評価【総合評価4.1点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:15度(3W)
・シャフト:ディアマナ 50 for Callaway(硬さS)
・使用ボール:リトル・グリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトル・グリーンヴァレー船橋
■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。