プラチナム スピーダーを西川みさとが試打「ゼクシオと合いそう」
藤倉コンポジット「プラチナム スピーダー」の評価は!?
藤倉コンポジットが得意とする走り系のコンセプトを継承し、最先端のカーボン繊維で仕上げた2代目「プラチナム スピーダー」。初代2015年モデルはいまなお“軽硬”の代表モデルとして人気だが、さらにその上をゆく弾き感とフィーリングを生むという。そんな同社が誇る弾き系シャフトをヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。
「本家『エボ』が扱えない人向き」
―率直な印象は?
「ダウンスイング時に走っている感覚がものすごく伝わってきます。粘りも多少感じられましたが、走り系 or 粘り系で言えば、やはり走り系であることは間違いありません」
―ほかの「スピーダー」シリーズと比べてどう?
「本家『スピーダー エボリューション』シリーズと比べると、『プラチナム』はパワーがなくても使えるシャフトだと思います。HS30m/s台の私でも振り心地が良く、振り切っても、やさしさを十分に感じることができました。基本的に『スピーダー』の特徴を踏襲していますが、どちらかと言えば、ツアーモデルでは少し抵抗を感じるパワーの少ない人に向けたシャフトと言えそうです」
―30g、40g台をそれぞれ試打した感想は?
「30g台の『PLATINUM SPD 3』はやはり軽めで、使い始めは振りやすいと思いました。ただ、徐々に慣れていくにつれて、もう少し振れるのでは?と思ってしまう軽量感は残ります。私が選ぶとすれば40g台の『PLATINUM SPD 4』。私も非力ゴルファーのひとりですが、まだ30g台を使う年齢ではないのかなー(笑)というのが正直な感想です。40~50g台の中間くらいがベストだと感じました」
―初代(2015年)モデルが根強い人気ですが?
「約6年の間が空いてリニューアルしたことを考えても、確かに根強いファンがいるモデルだと思います。特性としてクセがなく、振り心地も良いので、『スピーダー』の魅力を体感できるモデルの中でも、手に取りやすいシャフト。本家の『スピーダー』シリーズでは少しシビアな印象を受けた人にとって、選びやすいモデルではないでしょうか」
―「SIM2 MAX ドライバー」との相性は?
「『SIM2 MAX』はややハードなヘッドなので、もう少しボールをつかまえやすいモデルと合わせたい気持ちが湧きました。シャフトの特性を生かしてより飛距離を稼ぐなら、ダンロップ『ゼクシオ』シリーズのような、やさしいヘッドと合わせると面白いと思います」
―どのような人向き?
「特性がはっきりしているので、女性やシニアゴルファー向けと断言しても問題ないでしょう。HS42~43m/s以上になってしまうと、重量帯を上げても、少し物足りなく感じてしまう部分があるので。合わせるヘッドにもよりますが、基本的にはやはりパワーの少ない非力なゴルファー向け。シャフトの力を借りて、いまよりもっと飛ばしたい人に最適なモデルだと思います」
もう少しつかまりが…平均4点届かず【総合評価3.9点】
【走り感】4.0
【粘り感】3.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【デザイン】4.0
・使用モデル:PLATINUM SPD 3、4(どちらも硬さS)
・使用ヘッド:テーラーメイド SIM2 MAX ドライバー(ロフト角10.5度)
・使用ボール:市川サンライズゴルフセンター専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ENEOS市川サンライズゴルフセンター
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。