ゼクシオ エックス ドライバーを筒康博が試打「カスタムで使うべき」
ダンロップ 「ゼクシオ エックス ドライバー」の評価は!?
22年目に突入した老舗ブランド「ゼクシオ」の新たな顔、「X-eks-(エックス)」の2代目となる「ゼクシオ エックス ドライバー」。前作からの変化は、「アクティブウイング」と呼ぶ空力コントロールでヘッド軌道を安定させる“翼”と、シリーズ初の可変スリーブ・通称“カチャカチャ”機能が搭載されたことだ。そんなNEWゼクシオを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は?
「スリクソン要素が入った全く新しいゼクシオ」
―率直な印象は?
「このモデルを前作『ゼクシオ エックス ドライバー(2020年)』と比較すること自体が、ナンセンスに思えるほど、全く新たな『ゼクシオ』という印象を受けます。同社製『スリクソン ZX』シリーズの要素が少し入った“新しさ”を感じることができました」
―その“新しさ”を感じた部分とは?
「地面に置いたときの据わり、フェースが真っすぐから若干オープンに見える部分、ヘッドはややシャローには見えるものの高さのボリュームもしっかりあるところ。また、ドローバイアスもそれほど感じず、高くボールが上がるだけではなく、中弾道で強い球筋も打ち分けられる。私でも上下左右のコントロールができるわけですから、操作性抜群な要素も含めて、従来の『ゼクシオ』にはない『スリクソン』に近しい新しさと言えます」
―共通スリーブが装着されていますが?
「『スリクソン』シリーズと共通なのは、大変うれしい部分です。2モデルを所有して、シャフトを入れ替えて、ぜひ使ってみたいです。正直言うと、今回の純正シャフト『Miyazaki AX-2』は、『ゼクシオ 12 ドライバー』の『ゼクシオ MP1200』よりも素直さに欠け、やや軽量に仕上げている部分が気になりました。できれば、50g台後半から60g台の重硬なシッカリめのシャフトに入れ替えたい。シャフトメーカーのカスタムモデルと組み合わせたほうが、このヘッドの良さをより発揮できるような気がしました」
―軽量さが気になる…?
「はい。純正ということで、多くのゴルファーに当てはまる最大公約数を狙ったモデルに仕上げていると思うのですが、ヘッド重量をそれなりに出すために、シャフト自体はやや軽量に作られています。ですが、そもそも『エックス』を使う人は、ある程度自分で振りきれるゴルファーが多いので、シャフトも重量のあるものを組ませたほうが、よりイメージ通りに打ち分けができる。そのほうが『12』との違いも明確に表現できて、購入を考えている人にもわかりやすく提案できるように感じます」
―新テクノロジー“翼”の印象は?
「はっきり言うと、“翼”は感じなかったです。しかし、存在感を感じるということは、それだけスイングの邪魔をしていることになるので、感じたら逆に振りづらいということだと思うのです。構えても視覚的に圧迫感がなく、振っていても感じない。ということは、むしろそれが性能なのかなと考えるべきだと思います」
―どのような人向き?
「テーラーメイド、キャロウェイ、ピン、タイトリストといった、いま勢いのある海外ブランドと国産ブランドの垣根を超えるような、世界規模の代表格になり得るモデルと言えます。売り上げ好調の『スリクソン ZX』シリーズとともに、同社の新しい看板となり得るドライバー。外国産・国産の両方の良さを取り入れたいゴルファー、新しいテクノロジーによるギアの最先端を感じたいというゴルファーには、一度試してもらいたいモデルだと思います」
純正シャフトは気になるものの高評価【総合評価4.3点】
【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5
・ロフト角:10.5度
・シャフト:Miyazaki AX-2(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ
■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。