クラブ試打 三者三様

RMX VD59 ドライバーを西川みさとが試打「風切り音が気になる」

2021/12/14 05:00

ヤマハ「RMX VD59 ドライバー」の評価は!?

高慣性モーメントで直進性&安定感のあるモデルとして新登場したヤマハ「RMX VD」シリーズ。慣性モーメント値をルール上限(5900g・cm2)ギリギリまで高めた「RMX VD59 ドライバー」は、アベレージゴルファーの味方となり得る“飛んで曲がらない”クラブとして話題上昇中だ。そんな新RMXをプロモデル「RMX VD ドライバー」と比べながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「ダウンスイング時の『シュン!』に違和感」

曲がり幅は最低限に抑えられ直進安定性を実証する結果に

―率直な印象は?
「元々ヘッド後方の長めな形状が苦手ということもあり、操作性の面で思うような動きが取れませんでした。また、特に気になったのが、ダウンスイング時の『シュン!』という風を切る音。他モデルにはない独特の音だったため、違和感を抱いてしまいました」

キャッチコピーは『圧倒的直進安定性をすべてのゴルファーに』

―違和感を抱いた…?
「はい。まず風切り音がヘッドのどこから鳴っているのだろう? という疑問から、試打中はそこばかりに気を取られてしまい、スイングに集中できなかったというのが本音です。HSが速く出ているような爽快感という音の印象ではなく、異質さに対しての戸惑いが大きく、違和感となってしまいました」

ウエイト位置を左右に調整しても慣性モーメントが変化しない

―高慣性モーメントの印象は?
「慣性モーメントが大きくて安心感がある半面、インパクト前後の動きがストレートになり過ぎて、少しでもインサイドからヘッドを入れてしまうと、そのまま真っすぐアウトサイドに抜けてしまう感覚がありました。構えたときのやさしさはあるのですが、振っている際のやさしさまで感じることができなかったのは残念です」

プロモデルVD(右)と比べて投影面積の大きさの差は歴然

―「VD」と比べると?
「ヘッドの大きさは全然違いますし、『VD』はプロモデルの雰囲気で、すごくハードな印象を受けます。ヘッドは重く感じ、シャフトのスペックもハードだったため、ボールがつかまり切らなかったです。ただ、こちらは『シュン!』の風切り音はしなかったので、どちらかを選ぶとするなら『VD59』よりも『VD』かなと思います。ややシビアな印象ではありますが、シャフト選びやロフト調整で合わせれば、私でも使えるように感じました」

ディアマナ赤シリーズを彷彿とさせる先端のスピード感をもった特性

―やさしいモデルの代表格「ゼクシオ 12 ドライバー」と比べてどう?
「『RMX』も純正シャフトとのマッチングは考え抜かれていると思うのですが、『ゼクシオ』はそれ以上に、シャフトとヘッドとのバランスがうまいというか、合っているようなイメージ。もちろん『VD59』と『ディアマナ YR』が合っていないということはないのですが、『ゼクシオ』ブランドと比べてしまうと、どうしてもイメージが強いせいか、マッチングの精度は『ゼクシオ』に軍配という感じはあります」

「音が気になるのは使い始めだけかも…」と西川

―どのような人向き?
「HSに関わらず、幅広い層のゴルファー向き。男性だけではなく、女性ゴルファーでも扱いやすいと思います。ただ、ひとつ気になるのは風切り音。私のHS(平均35~36m/s)で『シュン!』なのであれば、万振りマンさんのようなHS50m/s台の人が振ると、どうなってしまう? とすごく興味が湧きます。音の感じ方は個人差があると思うので、一度打って実際に聞いてみてほしいです」

意外な違和感もあって辛口評価【総合評価3.8点】

【飛距離】3.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】3.5
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:10.5度
・シャフト:ディアマナ YR 50(硬さSR)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

ヤマハ
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発売日:2021/10/29 参考価格: 86,900円