クラブ試打 三者三様

RMX VD59 ドライバーを万振りマンが試打「インパクトが不安定」

2021/12/18 09:00

ヤマハ「RMX VD59 ドライバー」の評価は!?

高慣性モーメントで直進性&安定感のあるモデルとして新登場したヤマハ「RMX VD」シリーズ。慣性モーメント値をルール上限(5900g・cm2)ギリギリまで高めた「RMX VD59 ドライバー」は、アベレージゴルファーの味方となり得る“飛んで曲がらない”クラブとして、話題上昇中だ。そんな新RMXをプロモデル「RMX VD ドライバー」と比べながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。フルスイング系YouTuber・万振りマンの評価は!?

「破裂音のような大きな打音」

大型ヘッドに手こずったのか左右のバラつきが多く見られた

―率直な印象は?
「投影面積の大きなモデルは、思い通りに振り抜きにくい印象でどうしても苦手意識があり、辛口評価となってしまいました。小ぶりな形状のほうがボールにミートさせやすく、弾道も安定するため、打ち比べた『VD』のほうが合っていたように思います」

同社が最も飛ぶと推測するフェース上部に打点が集まるように設計

―高慣性モーメントは実感できた?
「正直ブレにくいかどうかは分からなかったのですが、飛距離を出せていながら(平均303yd)スピン量も抑えられていたので(2480rpm)、慣性モーメントという部分では一定の効果はあるのかなと思います。ただ、それよりも気になったのは、インパクト時のフィーリングの軽さ。打音が高いことで打感も硬く感じられ、インパクト時に押し込むような動きが取れず、安心して振り抜くことができませんでした」

最適な肉厚にしたことでフェースエリアを前作より12%軽量化

―打音はかなり高い?
「そうですね。打球音というよりも、もはや破裂音というような感じ(笑)。ものすごく大きな音で驚きました。途中にヘッドが壊れてしまうのではないかと心配したほどです。HS50m/s台にとっては、音も含めてインパクトでの不安要素となってしまった印象です」

VD59は三菱ケミカル共同開発のディアマナYR、VDは同シリーズ第5世代のディアマナPD

―「VD」も同じく打音は高め?
「いいえ、『VD』は特に高くはありません。他社モデルやこれまでの『RMX』シリーズとも、ほとんど変わらない音域でした。『VD』はサイズが小ぶりでしっかり振り抜けますし、スピン量もより少なく出ていたので、イメージ通りに振り抜けました。飛距離性能も高く、『RMX』シリーズ自体のポテンシャルの高さを感じます。『VD59』の性能が『VD』よりも劣るわけではなく、あくまでも自分に合っていたのが『VD』だったという認識です」

ソールのトウ側にはヤマハの象徴である音叉マークが光る

―他社でいうと類似モデルは?
「ピン『G425』シリーズが対抗馬になると思います。ピンも比較的ヘッドは大きめで、打音が高いように感じるので、似ている部分は多いのではないでしょうか。ただ、『VD59』はつかまり具合とサイズ感が突出しているので、そのあたりは類似モデルのないオンリーワンなドライバーと言えます」

「ミート率が低い人を助けてくれるドライバー」と万振りマン

―どのような人向き?
「ボールもしっかり上がるため、ゴルフを始めて一番最初に手にするモデルとして適しています。440~450ccの小ぶりのヘッドを使うゴルファーには、抵抗感を抱く大きさなので、好みははっきり分かれるところ。一方の『VD』は完全にアスリートゴルファー向けで、同シリーズで性格を明確にすみ分けした意図を感じました」

3.5点△が並ぶややシビアな結果に【総合評価3.7点】

【飛距離】3.5
【打 感】3.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】3.5

・ロフト角:10.5度
・シャフト:ディアマナ YR 50(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

■ 万振りマン プロフィール

登録者2万人超えのフルスイング系YouTuber。2017年よりYouTubeにて「-Mr.FULLSWING MEN-万振りマン」チャンネルを開設し、数多くの試打動画をアップ。豪快なフルスイングが話題を呼び、人気に火がつく。日本プロドラコン協会(JPDA)B級プロライセンスを取得。

ヤマハ
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