SPEEDER NXを西川みさとが試打「全体的にシッカリ感」
藤倉コンポジット「SPEEDER NX」の評価は!?
渋野日向子や西村優菜ら女子プロの使用率が高く、"次世代型"シャフトとして注目を集める藤倉コンポジット「SPEEDER NX」。8年間続いた「スピーダー エボリューション」シリーズからブランドチェンジし、これまでにない新感覚の挙動で、いまや同社の代名詞となりつつある。そんな新定番モデルはどんなゴルファーに向いているのか!? ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。
「非常に評価の難しいシャフト」
―率直な印象は?
「しなり量が少なく、全体的に硬い印象を受けます。正直、走り感も粘り感もどちらもあまり感じられませんでした。使用したスペックが最も軽量な『40』で、しなるポイントがつかみにくかったからかもしれませんが、シッカリ感のみが印象に残りました」
―前作までの「スピーダー」シリーズとは違う?
「そうですね。従来の『スピーダー エボリューション』シリーズは、先が走る明確な特性があったのですが、この『SPEEDER NX』はどこかが走るというよりも、全体がしっかりしていて、しなっているポイントがないことが特徴。全体的に硬く、シッカリ感のある特性。シンプルというよりもシッカリといったニュアンスが、一番近い表現のように感じました」
―フレックスがSだったのが要因…?
「前作『スピーダー エボリューション 7』でも、試打したスペックは『40S』だったので、フレックスの問題ではないと思います。特性自体がシッカリしたフィーリングで、入れるヘッドによっても印象は変わると思いますが、全体にしなっているというか、全体に粘っているというか…。うーん、評価が難しい。確実にいえることは、どこかが一部で動くタイプではないということです」
―女子ツアーでの使用率が高い模様ですが?
「捻れるかどうかという部分では、変な方向にシャフトが捻れ、ボールが左右に曲がることは少ない感覚でした。持ち球がはっきりしている現代の女子プロ選手には、そういう部分でマッチするのかもしれません。また捻れが少ないということは、最近の大型ヘッドとの相性がすごく良い。スイングしたイメージのまま素直に飛んでいくので、多くのプロから支持されているのだと思います」
―具体的に合わせるとしたらどういうヘッド?
「今回試打したテーラーメイド『SIM2 MAX ドライバー』では、正直つかまり具合が弱かったので、もう少し直進性が高く、つかまりやすいモデルと合わせると良いと思いました。最近ではヤマハ『RMX VD59 ドライバー』、また全般的にキャロウェイのヘッド。つかまるヘッドに合わせることで、捻じれの少なさが結果につながるように感じます」
―どのような人向き?
「素直な特性なので、ゴルファーのタイプは選ばない気がします。スペックは40~70g台まで幅広いですし、硬さのラインアップも多いので、自分に合ったものを選べばミスマッチは少ないと思われます。そういう面で、これまでの『スピーダー』シリーズとは違う特性。注意したい点は、シッカリ感が他モデルよりも少し強いので、いつもの硬さよりも少しやわらかいフレックスを選ぶと良いと思います」
デザイン4.5点のほかすべて4.0点【総合評価4.1点】
【走り感】4.0
【粘り感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【デザイン】4.5
・使用モデル:SPD NX 40(硬さS)
・使用ヘッド:テーラーメイド SIM2 MAX ドライバー(ロフト角10.5度)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。