クラブ試打 三者三様

ピン i525 アイアンを西川みさとが試打「7Iまでなら使いたい」

2022/04/19 05:00

ピン「i525 アイアン」の評価は!?

“飛び系ブレード”という新ジャンルを打ち出したピン「i500 アイアン」の後継として、ことし新登場した「i525 アイアン」。新たなキャッチコピー“ちょいブレード”が示す通り、スッキリした形状に磨きをかけ、飛びと操る性能の両方をブラッシュアップさせた。そんな同社の自信作を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「既存イメージが変わるほどの打ちやすさ」

HS30.6m/sで7I平均飛距離143.3ydと予想以上に飛んでいる結果に

―率直な印象は?
「とても打ちやすかったです。形状にシュッとしたスマートさがあり、“飛び系”と呼べるほどの飛び(7Iで平均143.3yd)も持ち合わせています。操作性と飛距離性能を両立した理想の形だと感じました」

キャッチコピーは『操れる、飛び系。ちょいブレード』

―ピンのアイアンの印象は?
「多くのプロが使用している『i210 アイアン』を試打したときに、ソール形状が少し厚ぼったく、少し自分のフィーリングには合わず、違和感を覚えるシルエットだったので、ピンのアイアンは合わないと感じていました。ですが、『i525』はそのイメージを払拭するくらいフェース後方の厚みがなくスッキリしていて、構えやすいし振りやすい。弾道も十分な高さが出ていて、狙い通りにグリーンに止まる。とても実戦向きなモデルだと感じました」

進化を遂げたマレージングC300フェースと中空ヘッド構造

―打感の評価は?
「少しだけ硬めな感じはあるのですが、逆にそこがやわらか過ぎず、適度な弾き感が心地良かったです。フィーリングだけで飛んでいる感覚を味わえ、手に残る感触も硬すぎず、やわらか過ぎない。このちょうどいい感触が、高評価の要素を担っている気がします」

前作「i500」と同様にソール幅はやや狭めのスマート形状

―昨年高評価だったテーラーメイド「P790 アイアン」と比べてどう?
「『P790』と雰囲気は近く、若干、飛びを抑えたマイルドな印象です。複合素材を使用した中空構造モデルという部分は同じで、『P790』のほうが少しカチーンと打感が硬く、飛距離性能に特化している感じ。対して『i525』は、それほど弾き感は強くないのに、これほど飛ぶのかと驚かされる。思ったよりもキャリーで飛ばせて、しかも打感が良いので、私的には『P790』をしのぐ好印象でした」

オフセットを番手別に設計してブレード並みの操作性を備えた顔

―気になったところは?
「ほとんどないという前提で、あえて挙げるならサイズ感。アドレスすると、やや小ぶり過ぎに見えるので、アイアンに自信がもてないゴルファーには、少しシビアに感じてしまうかなと思います。実際に打ってみれば、その打ちやすさは分かるのですが、私も含めて見た目の印象を重視する人にとっては、一番長いクラブで7番までのセッティングが限界。元々5~6番アイアンを敬遠してしまうタイプ(ショートウッド好き)なので、7番自体はこのくらい小ぶりなほうが好みではあるのですが…」

「飛んでいるけど ぐいぐいさがそれほどなくて◎」と西川

―どのような人向き?
「このヘッドを見て小さ過ぎると感じない人=アイアンをある程度好きな人向き。ただ、それほど自信のない人も、性能は間違いなくやさしいので、一度は打ってみて判断してほしいと思います。特に『NSプロ 850GH neo』との相性が良いと感じるので、まずはこの組み合わせで試打していただくことをおすすめします」

構えやすさ以外全て4.5の高評価【総合評価4.4点】

【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:29度(7I)
・シャフト:NSプロ 850GH neo(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

ピン
操れる、飛び系。ちょいブレード
発売日:2022/02/18 参考価格: 143,000円