ヨネックス EZONE GT ドライバーを筒康博が試打「食いつきにビックリ」
ヨネックス「EZONE GT ドライバー」の評価は！？
“分厚いインパクト”を追求したヨネックスの3代目「EZONE GT ドライバー」。「サイドウォール」と呼ばれるヘッド外周に厚みを持たせた構造を採用することで、効率よく慣性モーメントを高め、インパクトでヘッド挙動を安定させるという。そんな同社の自信作を、ヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は！？
「全く新たなヨネックス1W」
―率直な印象は？
「あまりにも打感が食いつくので、試打の1球目から頭をぶん殴られたような、大きな衝撃を受けました。これは、本当にビックリ。今まで打ってきたヨネックスのドライバーとは違う、全く新たなモデルと考えていいでしょう」
―全く新たなモデル…？
「はい。手に伝わる感触でいうと、やわらかさはテーラーメイド『ステルス』シリーズのカーボンフェースを超えています。『まさか、ヨネックスもカーボンに！？』とつい勘違いしてしまうほどの食いつき感。打音は、タイトリスト『TSi』シリーズよりはもう少し抑えたような、耳心地のいい低音。前作『EZONE GT ドライバー（2018年）』を含め、過去のヨネックス製ドライバーは甲高い音で、硬い弾き感というイメージが強かったので、この新『EZONE GT』はかなり刷新された印象を受けます」
―球持ちがいい？
「そうですね、球持ちが長く、とてもボールとのコンタクトがイメージしやすいです。一般的に球持ちが長いと、その半面として巻き込んだりするミスが多発するのですが、そのようなこともありません。要素としては、以前より重心が深くなった気はしますが、それよりも、ヘッド後方のハイバック形状が大きな要素となっている気がします。後ろに厚みがあることで、インパクト時にボールを押し込むことができ、非常に球質が強く、つかまり過ぎるミスも減らせているように感じます」
―気になる点は？
「クラウン中央にある長細いマークが気になります。テーラーメイドの『T』やキャロウェイの『V』といった小さな点のデザインに慣れているため、幅があり過ぎて逆に目が散ってしまう。ターゲットに合わせやすいという声もあるとは思いますが、他社モデルのものに慣れてしまっている私は少し構えづらさを感じました」
―「EZONE GT 450 ドライバー」と「EZONE GT 425 ドライバー」との違いは？
「小ぶりの『425』も、『450』と同じくらい球質が強かったので、小さいから難しい、小さい分つかまりが悪いという差は、全くありません。現在のクラブ市場では、425ccクラスは非常に稀有な存在。大半を占める460ccは大き過ぎて好みではないというゴルファーに、リーチできるモデルといえます」
―どのような人向き？
「国産ドライバーを探している人向き。ブリヂストン、ダンロップ、ミズノといったメーカーと打ち比べて、その違いをよく吟味していただきたいです。傾向としては、ある程度ゴルフをやっていて、競技にも出たことのあるような確かな腕前をもつ、こだわりの強いゴルファーかなと思います。逆にそういった人であれば、『450』『425』を分けて考えるのではなく、見た目のフィーリングのみで選んで正解だと思います」
2項目で5点満点！ ただし2.5点も…【総合評価4.2点】
【飛距離】5.0
【打 感】5.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.5
【構えやすさ】2.5
・ロフト角：10.5度
・使用シャフト：RK-03GT(硬さS)
・使用ボール：川口グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力／トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ
■ 筒 康博（つつ・やすひろ） プロフィール
スイングとギアの両面から計測＆解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。