タイトリスト TSR2 ドライバーを筒康博が試打「カスタマイズ前提で高評価」
タイトリスト「TSR2 ドライバー」の評価は!?
スピードと安定性の向上を目指すタイトリストの新作「TSR」シリーズ。なかでも直進性と寛容性が高いタイプとして、プロからアベレージゴルファーまで人気が高い「TSR2 ドライバー」は、形状がシャープに変化して構えやすくなったと評判だ。ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が、前作「TSi2 ドライバー」と比べながら採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は!?
「飛んで曲がらないドライバーの一番手」
―率直な印象は?
「試打した結果は、ボールが上がり切らず(打ち出し角:11.3度)、途中で沈んでいくような低弾道になってしまい、思い通りの飛距離が出せませんでした(総距離:219.9yd)。ただ、左右への散らばりが少なく、前に強く飛ぶ威力を感じます。飛んで曲がらない低スピン性能を、十分に感じ取ることができました」
―飛んで曲がらない…?
「はい。インパクト中はブレることがなく、ミスヒットに対する寛容性も高く、前作『TSi2』の高慣性モーメントをしっかり継承しています。ただ、サイドスピン量の少ない直線的な弾道を生むタイプは、飛ばないイメージも並行して起きてしまいがちですが、『TSR2』は飛距離性能もちゃんと両立している。他社も含めた最新モデルの中で、飛んで曲がらないドライバーの一番手に挙げられると確信しました」
―ボール初速が相当アップした?
「ボール初速がアップしたといっても、アベレージゴルファーは全ての打席で芯をとらえることはできません。注目すべきは、初速性能よりもミスヒットしたときのカバー力。どこに当たっても、ボール初速が下がらないことのほうが、メリットは大きいです。『TSR2』は想像以上にミスヒット時と思い描く弾道イメージの相違が少ないといえます」
―飛距離特化型というよりバランス型?
「うーん…、どちらかといえばバランス型ではあります。ただ、決して飛ばないわけではなく、これだけ曲がらない構造のうえに、ボール初速性能を最大限に引き出している点を評価するべき。ドライバーは飛ぶor飛ばないで判断されることが多いですが、曲がりにくさも両立したうえで、どこまで飛ばせるかを勝負しているか。今作に限っては、飛距離性能と直進性のバランスを、高水準でキープしている点に注目するべきでしょう」
―結果が悪かったのはレンジボールだから?
「もちろん、それも大きく影響していますが、元々ブランドのコンセプトとして、純正シャフト一本(TSP111 50)では判断できません。既存カスタムのラインアップでも他3種類(TSP310 60、ツアーAD DI、ツアーAD IZ)が用意されていて、組み合わせで評価は大きく変わります。正直、今回の組み合わせはマッチしませんでしたが、ヘッド単体の評価は申し分なし。あとは、自分好みのシャフトにカスタマイズし、最適なセッティングをつくり上げれば問題ないと思います」
―どのような人向き?
「ヘッド形状、顔の好みがはっきりしているゴルファー向き。同ブランドの元々のファンで、プロ仕様のシンプルな構造が好きな人。またドローorフェードの持ち球や弾道イメージが、自分の頭の中で明確に描け、逆球を絶対に出したくない人に適していると思います」
弾道結果以上に性能を評価【総合評価4.5点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】5.0
・ロフト角:10度
・使用シャフト:TSP111 50(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ
■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。