クラブ試打 三者三様

タイトリスト TSR3 ドライバーを西川みさとが試打「『TSR2』よりやさしく感じる」

2022/11/29 07:00

タイトリスト「TSR3 ドライバー」の評価は!?

米ツアードライバー使用率No.1を誇るタイトリストの新作「TSR」シリーズ。中上級者から圧倒的な支持を得る「TSi3 ドライバー」の後継として登場した「TSR3 ドライバー」は、すでに口コミの評判では、スコアに直結する飛びと操作性がさらに備わっているという声が並ぶ。玄人も納得の高性能モデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「ハードさは和らいだ? 結果以上にイメージは変化」

打ち出しから右方向 そのまま右に流れる弾道が多く出てしまった

―率直な印象は?
「男子プロ仕様のイメージが強いタイトリストということで、やはり私のHS(平均35~36m/s)では、ボールをつかまえ切ることができませんでした。ドローが持ち球ですが、右への弾道ばかりになってしまい、思うように左に来ない結果に…。元々ハードなイメージは持っていましたが、その通りの結果となってしまいました

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―兄弟モデル「TSR2」と同じ評価?
「結果は同じようにはなってしまいましたが、それでも、弾道の高さは『TSR2』に比べて上がっていたので、それほど難しい印象は受けません。試打する前は、『TSR2』よりさらにハードだと思っていたので、相対的ではありますが、印象と性能のギャップに驚きました。一生懸命つかまえようとして打てば、何とかボールは思い通り戻ってくる印象を持ちました」

前作との比較も気になるところだが 兄弟モデルとの相関関係に言及

―シャフトスペックを合わせれば適用できそう?
「そうですね、『TSR2』よりは扱える気がします。『TSR2』は本当に強いライナー弾道で、アゲンストの強風時限定という感じでしたが、『TSR3』はもう少し、しなり量の多いシャフトと合わせれば、どうにかなりそうな雰囲気。もしかしてもしかするかも…という可能性を感じます」

左が「TSR2」右が「TSR3」。比較すると全体的に小ぶりに見えるが…

―「TSR2」との差は、見た目の違いも影響している?
「『TSR3』のほうがフェース面の横幅があり、(上から見ると)やや縦方向へ面長に見えます。『TSR2』のほうがフェース面は短く、全体的に三角形に近い形状。比較的に『TSR3』のほうが、構えたときにディープさを感じさせない作りに見えます。今回打ち比べた前作『TSi3』も同様、横幅の長さがある面長タイプのため、『TSi3』→『TSR3』へ買い換えたい人はスムーズに移行できると思います」

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―前作「TSi3」とは大きな差はない?
「はい。見た目にも性能面にも、ほとんど違いはありません。操作性が良く、強弾道が出るモデルとして、中上級者向きのコンセプトはそのまま。定評のあった前作『TSi3』の高性能をしっかり受け継いでいる印象です

「前作をしっかり継承しているのでターゲット層も同じでは」と西川

―どのような人向き?
「正統進化ということで、現『TSi3』ユーザー向きであることは間違いないと思います。兄弟モデル『TSR2』より扱いやすさを感じるとは言いましたが、やはりしっかり振り切れる競技志向ゴルファー向き。私と同じくHSが一般的な速さより遅い方、非力なシニアや女性には、難しいモデルであることには変わりありません」

扱える可能性は感じたものの点数は伸び悩み…【総合評価3.7点】

【飛距離】3.5
【打 感】4.0
【寛容性】3.5
【操作性】3.5
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:10度
・使用シャフト:TSP310 60(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

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発売日:2022/09/30 参考価格: 88,000円