ステルス2 プラス ドライバーを西川みさとが試打「ハードルは下がった模様」
最注目シリーズ2代目の限定モデル HS30m/s台の女子プロ評価は！？
テーラーメイド「ステルス2」シリーズが、2月17日に発売された。既に手に入れたユーザーも多いなか、いまだにどのモデルが最適か悩んでいるゴルファーも少なくない。そこで今回は、コリン・モリカワ、スコッティ・シェフラーらPGAツアー選手が多く使用する「ステルス2 プラス ドライバー」をピックアップ。セレクトフィットストア限定発売ながら高い関心を得るモデルを、ヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。
「歯が立たなかった前作『プラス』のハードさはやや緩和」
―率直な印象は？
「弾道は低めで、強い球質といった『プラス』のイメージそのままの結果となりました。私のHS(平均35～36m/s)では、ボールは上がり切らず、ロフト角10.5度で低弾道のままであるならば、ややハードスペックかなと感じます。ただ、前作『ステルス プラス ドライバー』と比べると、全く歯が立たない相手ではなく、少しハードルは下がった印象を受けます」
―少しハードルは下がった…？
「はい。弾道は低めではありますが、ボールにうまくコンタクトできれば、一定の水準の打ち出し角を担保してくれます(平均13.5度)。パワーが足りず、ボール初速で飛距離を稼ぐプレーヤーではないため、私にとってキャリーの高さが非常に重要な項目なのですが、前作と比べて及第点の高さを得られるように感じました」
―他の兄弟モデルと比べると？
「スタンダードモデル『ステルス2 ドライバー』は想像通りにボールが飛び、理想的な弾道を生んでくれます。高さ、スピン量、打ち出し角、全てにおいてパーフェクトに近い評価。『ステルス2 HD ドライバー』は、分かりやすくボールがつかまる性能で、それほど度合いは強くないものの、意識して打ち出し角を得る必要性は感じられます。私は完全に“スタンダード推し”ですが(笑)、3機種それぞれ特性通りにはっきり結果が表れるので、シリーズ間の選択は、とても行いやすいといえます」
―見た目も明確に違う？
「形状はほとんど同じなため明確とはいえませんが、『プラス』は一番ハードに見えます。アドレス時に上から見た際、クラウンの外枠に赤いリングが見えないことで、全体の黒さが強調され、厳(いか)つく強面な顔立ちのイメージが残るからです。見た目からやさしさを求める人は、赤いリングの有無を、一度チェックするべきでしょう」
―打感も異なる？
「そうですね。やや重さが感じられ、ずっしりとした感触が手に伝わります。弾き感というよりは重量感といったフィーリング。この影響がボールの上げにくさにつながっているようにも感じるほどです。また、打感に大きく影響している要素が、純正シャフト（ディアマナ TM50）の違い。スタンダードモデルや『HD』のシャフト(TENSEI TM50)に比べ、重さ50g台&フレックス表示は同じでも、しなり量とキックポイントは大きく異なり、しっかりした印象を受けます」
―どのような人向き？
「ある程度はパワーに自信があり、HSは最低でも42～43m/sは必要です。ただ、前シリーズより確実にやさしく進化しているため、スタンダード『ステルス』→スタンダード『ステルス2』は、やや物足りなさを感じる人が出てくる可能性が高いでしょう。そういう人には、『ステルス2 プラス』という選択肢も視野に入れて購入を検討することをお勧めします」
スタンダード評(4.4点)よりダウン【総合評価3.9点】
【飛距離】3.5
【打 感】4.5
【寛容性】3.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角：10.5度
・使用シャフト：ディアマナ TM50(硬さS)
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。