クラブ試打 三者三様

ディアマナ GTを万振りマンが試打「強弾道ヘッドとの相性◎」

2023/04/22 07:00

何色にも染まらない「ZF」の後継 HS50m/s台のYouTuber評価は!?

2004年の発売以来、青・白・赤と3色展開してきた三菱ケミカル「ディアマナ」シリーズ。今回は、第4世代で突如登場したどの色にも属さない「ディアマナ ZF」の後継にあたる、「ディアマナ GT」をピックアップする。スピーディーなしなり戻りで、オートマチックに振り抜ける設計というが、果たして実際はどんな特性なのか!? ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。フルスイング系YouTuber・万振りマンの評価は!?

「大絶賛の前作『PD』超え!? どんなに振っても吹け上がらない」

全体的にやや左寄りではあるものの 中弾道の強い球筋が出ていた

―率直な印象は?
「思っていたより、つかまり感がすごく出ていて好感触です。『ステルス2 プラス ドライバー』のヘッドで、ここまでつかまるかと驚いてしまうほど、強弾道のドローボールが出ていました。相当このシャフトの役割が効いている印象を受けます。しかも、そのつかまり具合を抑えるため、途中から『ステルス2 プラス』のソールウエートをノーマルからフェードポジションに変えたのですが、この狙いがドンピシャにハマり、より飛距離を伸ばすことができました(平均総距離:313.3yd)。思い通りの弾道調整も可能にする、シャフト効果の大きいモデルだと感じます」

光の加減でシルバーから青or赤にも見えるメタリックなデザイン

―どのような特性?
「モデル60・フレックスSを試打しましたが、しっかりしたスペックの割に、スイング中だけでなく、ワッグルしたときからしなり量の大きさを感じます。ですが、それほど走る感覚はあるのに、ボールは高く吹け上がらず、低弾道の強い球筋が出ます。ロフト角10.5度であの高さで攻めていけるのであれば、だいぶ飛距離に特化したセッティングがつくれる気がしました」

手元側に入っている同シリーズ伝統の『D』マーク

―前作「ディアマナ PD」と比べると?
「前作も自分のタイミングに非常に合っていて、『三者三様』コーナー史上No.1でとても高評価だったのですが、それに匹敵するモデルかもしれません。基本的には同じくらいのしなり感で、振り心地がもう一段速く動いてくれる印象を受けます。飛びにつながるスピード感がプラスアルファで追加され、より強弾道で前に飛ばせるモデル。実際に前作を購入して使っていますが、今回も買うことになるかもしれません(笑)」

剛性分布の最適化を図りしなやかな振り心地を追求したモデル

―同時期発売グラファイトデザイン「ツアーAD CQ」と比べると?
「どちらも同じくスピン量が抑えられ、私のような吹け上がることが多いゴルファーには重宝するシャフトですが、内容は大きく異なる印象です。『―CQ』は確かに高評価でしたが、しなる『ディアマナ GT』と比べたら“叩ける特性”に振っているため、ヘッドを上からブツける感覚が大きいです。ですから『―CQ』は力いっぱい叩いても、左につかまり過ぎることがない安心感から、クイックで上からドンッ!という感触。一方の『ディアマナ GT』は、ヘッドを速く走らせ、ボールを運んでいくイメージで、タメてタメて横からパンッ!というフィーリング。そんな振り心地の違いを感じる2本です」

「ステルス2 プラス」の15gウエートをフェードポジションに移動して試打

―相性のいいヘッドは?
「純正(ディアマナ TM50)ではあまりつかまらなかった『ステルス2 プラス』のヘッドを、ここまで激変させるほどですので、逆につかまりのいいヘッドとの組み合わせは、左へのミスを頻発させる危険性を感じます。つかまり感は抑えめで、低スピンで強弾道が出せるタイプと好相性ではないでしょうか。最新モデルでいうと『パラダイム トリプルダイヤモンド ドライバー』、少し前だとタイトリスト『TSi3 ドライバー』など、競技ゴルファーから注目されている人気モデルとの組み合わせは、飛距離に自信のある人ほど試してほしいです」

「一発の飛びに特化している分、操作性が『PD』ほどではなかった…」と万振りマン

―どのような人向き?
「スイング中にタメをつくることができ、しっかりシャフトのしなりを使いこなせるゴルファー向き。ボールを強く弾くだけではなく、スイング中にタメた勢いを、インパクトで弾きながら運ぶイメージなので、シャフトのしなりをちゃんとタイミングよく放出できる人に限られます。単に力いっぱい飛ばすだけではなく、同時にボールの操作も計算できる人に限られるため、やはり上級者向けのシャフトといえそうです」

前作PD評(4.7点)に届かないまでも高評価【総合評価4.5点】

【走り感】5.0
【粘り感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.5
【デザイン】4.5

・使用モデル:60(硬さS)
・使用ヘッド:テーラーメイド ステルス2 プラス ドライバー(ロフト角10.5度)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 万振りマン プロフィール

登録者2万人超えのフルスイング系YouTuber。2017年よりYouTubeにて「-Mr.FULLSWING MEN-万振りマン」チャンネルを開設し、数多くの試打動画をアップ。豪快なフルスイングが話題を呼び、人気に火がつく。日本プロドラコン協会(JPDA)B級プロライセンスを取得。