クラブ試打 三者三様

P770 アイアンを万振りマンが試打「パンッ!と弾いて前に飛ぶ」

2023/05/27 07:00

やさしく進化した3代目 HS50m/s台のYouTuber評価は!?

テーラーメイドのアスリート向けアイアン「P」シリーズから、2023年モデルとして登場した3代目「P770 アイアン」。マッスルバック風のコンパクト形状に、飛距離、寛容性、打感、全てを向上させるための最新テクノロジーを搭載した中空構造は、前作よりさらにやさしく進化したという。そんな同社の自信作を、同時発売の限定モデル「P7MC アイアン」「P7MB アイアン」と比べながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。フルスイング系YouTuber・万振りマンの評価は!?

「『i230』の対極にいる!? 弾き感が予想以上に強め」

スチールシャフトではトップや左右に散らばるミスが目立った

―率直な印象は?
「試打前に思っていたイメージよりも、ボールが前に飛び出す印象が強いことに驚きました。打感もやや硬く感じられ、イメージ通りにボールを運ぶというよりは、しっかりパンッ!とボールを叩いて打つスイングに適したアイアンという印象。単一素材を使った軟鉄鍛造アイアンというよりは、複合素材のコンポジット系モデル寄りといった性能に感じました」

鍛造中空構造の内部には新開発「スピードフォーム エア」を搭載

―思っていたより前に飛ぶ?
「はい。インパクト時に当たったフィーリングがそのまま弾道に反映され、目標方向に飛んでいくイメージです。フェースの弾きが強い分、ボールがフェースに乗っている接触時間がやや短く感じられます。打感がやわらかく接触時間も長く感じられたピン『i230 アイアン』とは逆で、同じ薄肉構造でスイートエリアの広いアイアンの中では対極にいるようなモデルと表現しても良いかもしれません。スピン量は少なく(7Iで平均:4606rpm)、平均5346rpmだった『i230』と比べ、弾道も低く出ていたと思います」

番手ごとにタングステンウエートの配置を調整する「FLTD CG」を採用

―「P7MC」と比べると?
「形状は異なりますが、打感自体はそれほど変わりません。フェースの弾きの強さやインパクト時の硬めの感触は一緒で、打ち出した瞬間にボールが飛び出していく姿も、ほぼ同様に感じられます。ボールを押していくというより、反発力で弾き飛ぶ感覚も同じ。ただ、『P7MC』のほうが若干スピン量は多く出ていたので、高さは多少出しやすいモデルかもしれません。グリーンを上から攻めるなら『P7MC』のほうが適している気がしますが、その半面、飛距離性能は『P770』のほうが上。両モデルで購入を悩んだときは、アイアンに求める要素が飛びか高さか、自分のプレースタイルと照らし合わせて選ぶと良いかなと思います」

マッスル形状の中空構造「P770」、マッスルキャビティ「P7MC」、マッスルバック「P7MB」

―「P7MB」と比べると?
「MBはマッスルバックの格好良さを改めて認識できるほど、シンプルで美しい外観です。デザインも精錬されていますが、性能面でも繊細なショットを可能にする繊細なフィーリングが味わえます。飛距離は他の2機種(『P770』『P7MC』)より5~10yd落ちますが、ターゲットに対してラインを出しながら打つには最適のモデルといえます。弾道イメージに沿ってしっかり打ち出していける上級者向けアイアン。比較的に打感はやわらかめで、ボールを操作するイメージが湧く分、打感評価は4.5点で(『P770』は4.0点なので)0.5上回る評価となりました」

5Iで総重量403gの「ディアマナ Thump 95」と430gの「ダイナミックゴールド EX ツアー イシュー」

―純正シャフトの印象は?
「同社『ステルス HD アイアン』のときも同じ感想を持ちましたが、スチール(ダイナミックゴールド EX ツアー イシュー)とカーボン(ディアマナ Thump 95)で全く異なる印象を持ちました。『―HD』と比べてヘッドは小ぶりなので、その差は小さく感じますが、しなり量の大きいカーボンはやさしさがアップする印象。スチールではミスが出てしまうショットでも、ボールを真っすぐ飛ばしてくれる。インパクト時の当たり負けを緩和し、ヘッドの走りをサポートしてくれる。今回試打した3機種とも、カーボンシャフトを前提として選びたいと思いました」

「シャフト選びには注意が必要」と万振りマン

―どのような人向き?
「カーボンシャフトを選ぶ前提で、一般的なHS(1Wで40m/s前後)のゴルファーがメイン対象だと思います。小ぶりなサイズで敬遠してしまいそうな薄いボディではありますが、それほど難しくシビアな性能ではありません。多くの方がチャレンジしていいアイアンではないでしょうか。ただ、スチールシャフト装着時は、私も歯が立たないほど、パワフルなスイングが求められる厳しいセッティングに感じました。購入前に試打できる環境があれば、適正シャフトをよく吟味して選ぶことをおすすめします」

硬めのフィーリングでやや点数伸び悩む【総合評価4.2点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:33度(7I)
・使用シャフト:ダイナミックゴールド EX ツアー イシュー(硬さS200)、ディアマナ Thump 95(S)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 万振りマン プロフィール

登録者2万人超えのフルスイング系YouTuber。2017年よりYouTubeにて「-Mr.FULLSWING MEN-万振りマン」チャンネルを開設し、数多くの試打動画をアップ。豪快なフルスイングが話題を呼び、人気に火がつく。日本プロドラコン協会(JPDA)B級プロライセンスを取得。

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