オノフ ウェッジ LABOSPEC FROG'S RUNNINGを筒康博が試打「ロフト42度の絶妙設計」
ジワジワきているチッパー比較 HS40m/s台のクラブフィッター評価は!?
オノフ ウェッジ LABOSPEC FROG'S RUNNINGをご意見番クラブフィッターが試打したら…【筒康博】
昨年7月にピンより発売された「ChipR」は、“お助けクラブ”としては異例の大ヒットを記録し、発売当初は予約が殺到して入荷待ち状態が長く続いた。それを機に改めてそのやさしさとスコアに直結する性能に注目が集まったチッパー。今年6月には、グローブライドより「オノフ ウェッジ LABOSPEC FROG'S RUNNING」が発売され、さらに注目される存在に。そこで今回は、新モデル・オノフウェッジを、「ChipR」と中古市場でも根強い人気の2モデルを比べつつ、有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は!?
「アプローチが苦手な人へ伝わるやさしさ 考え抜かれた設計」
―率直な印象は?
「私はウェッジが特に苦手ということではないので、試打前はこのクラブの良さがどれくらい分かるか不安視していました。ですが、実際に打ってみて細部に工夫が施されている点を感じました。ウェッジに苦手意識を持った人へ、配慮を感じる絶妙な構造に仕上がっています」
―絶妙な構造?
「はい。シャンクを出させないようにネックがヒール寄りに引っ込んでいたり、パターのように構えられるように太めのサイトラインが引いてあったり、パターに近いライ角(70度)で吊るし気味に打てる部分などが、絶妙に配置されています。グリップもやや太め&重めで、長く握っても短く握っても、どちらでも対応できるものを採用しています。ソール面は、中心部だけが接地するように程よく面取りされていて、地面に置いたときに座りが良いのに、スイング中は全くソールの抵抗を感じません。通常のアプローチをしなくても、パットのストロークのように打てば十分うまく転がせる工夫が随所に見られます」
―スピン性能の評価が1.0点ですが…?
「スピンがかからないクラブという評価にも取られますが、そもそもこのクラブのコンセプトが、スピンをかけて止めることを前提に作られていないので、設定通りという意味では逆に高得点です。ある程度小さいストロークで、長いランを出しながら距離を合わせにいく性能で、打感と打音、そして距離のイメージの出し方がマッチしやすかったです。42度というロフト設定も、これ以上寝ていてはキャリーが足らず、立っていては上がりすぎてしまうため、絶妙な想定で決められた角度だと推測します」
―他社のチッパーと比べると?
「ピン『ChipR』は、形状がアイアンに近く、特に同社のアイアンの延長で構えられる点が長所です。打感はやや硬めで、当たった瞬間から転がるイメージが湧き、他のモデルより前に強くボールが飛ぶため、厳密にはオノフと同じグループで比較して良いのか疑問に感じるほど。オリマー『CHIP 45 WEDGE ORM-718C』は、45度のロフト角以上にボールが上がり、チッパーなのにバンカー超えやラフで高さが出せる面白いモデルです。プロギア『R45』は、オノフと『ChipR』の中間くらいの性能で、転がし専用の割にキャリーがやや大きく出ます。あえてパター寄りにしているデザインは、ウェッジが苦手な人の救済クラブとしての明確なメッセージを伝わってきます」
―チッパーの的確なロフト角は40度前半?
「そうですね。そもそも芝の上から打ち、ボールを転がすことが目的のクラブなので、30yd以内の花道で、どれだけ短いキャリーでピンに届かせるかということを考えて、各メーカーが作っていると思われます。そう考えると、やはり適正なロフト角は、8~9番アイアン相当の40~42度になるでしょうか。では、8~9番アイアンでランニングアプローチを打てばいいのでは? と思われる方も多いかもしれませんが、実際には多くのアマチュアゴルファーさんは、アイアンで転がしの練習をあまり行いません。プロではないので、ある程度クラブに頼ることも手かなと思います」
―どのような人向き?
「とにかくアプローチが苦手で、グリーン周りで嫌な思いをした経験のあるゴルファー向き。道具からプレースタイルを変えることで、スコアメークに直結する良いきっかけになるのではないでしょうか。特にアプローチイップスに陥った方は、一度使ってみることをお勧めします。見た目が少々格好悪くても、結果が伴えば自然に気にならなくなるもの。私もアプローチでミスの危険度が増し、怖さが生まれた日には迷わずウェッジからスイッチしたいと思います」
スピン1・打感5 ある意味高評価な配点【総合評価3.1点】
【スピン性能】1.0
【打 感】5.0
【抜け感】4.5
【バンカー対応力】2.0
【構えやすさ】3.0
・ロフト角:42度
・使用シャフト:NSプロ 950GH neo(フレックス表記なし)
・使用ボール:タイトリスト プロV1
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋、ゴルフガレージ西葛西店、多摩店
筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。「インドアゴルフレンジ Kz 亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。
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