クラブ試打 三者三様

キャロウェイ CB ウェッジを西川みさとが試打「オートマチックで抜けが良い」

2023/08/01 20:19

安心感と自信をもたらすウェッジ HS30m/s台の女子プロ評価は!?

とにかくやさしく楽にグリーン周りを攻略できるキャビティウェッジとして人気を博したキャロウェイ「MACK DADDY(マックダディ)CB ウェッジ」。その後継モデル「CB ウェッジ」は、最新テクノロジーを駆使し、さらに“やさしいウェッジ”を具現化したモデルとして注目されている。そんな同社の自信作を有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「芝でも砂でも抜け感◎ 気になるのはグリップの太さ」

―率直な印象は?
「名称通りキャビティバックということで、マッスルバックが主体のツアーモデルウェッジより、だいぶやさしい性能に仕上がっています。アドレスして上から見た際の投影面積は、それほど大きくありませんが、ソール幅は広く、ミスショットにしっかり対応してくれる点は、見た目もやさしさも妥協したくない多くのアマチュアゴルファーに受け入れられる要素を感じます。単品売りではありますが、セット販売モデルに近い印象。他クラブとの流れを無視せず、アイアンの延長でやさしく扱えるウェッジだと思います」

キャッチコピーは『グリーン周りでの自信を劇的に高める、安心とやさしさの高機能』

―前作「MACK DADDY CB ウェッジ」と比べると?
「それほど大きな違いは見受けられませんでしたが、強いて挙げるなら、ソール形状の変化とグリップの違いでしょうか。前作では、全体にラウンドしていたソール形状が、今作は中央が山なりの形になり、ややV字型の形状に変わったことで、多少ダフッたとしても芝の上をスルスルーと滑って、ミスが起きにくい構造となっています。芝に引っかからずに振り抜ける。抜けの良さは上がった印象を受けます」

左が「CB」右が「MACK DADDY CB」。ネックに発売年「’23」が新たに表記された

―バンカーでも抜け感は良かった?
「はい。ソール形状のおかげなのか、バンカーでも花道同様に打ちやすかったです。フェースを開いて構え、バウンスを使うように振ったときも、砂の上で思うようにヘッドが抜けてくれました。ソール形状を試打前にまじまじと見ていた影響のおかげなのか、砂に刺さらないイメージが自然と湧き、よりボールが出るイメージや砂からヘッドが抜ける印象を持つことができました。芝からでも砂からでも役に立つ、前作以上にやさしさを実感できるウェッジではないでしょうか」

高強度でやわらかい431ステンレススチールをヘッド素材に使用

―使用中のツアーモデルと比べると?
「現在私は、マッスルバック形状のテーラーメイド『ミルドグラインド MG3 ウェッジ』を使用していますが、実はそれほど違いは感じませんでした。(試打した)ロフト角50度の割にボールを拾ってくれる感覚もあり、どんなライからでも上げやすい印象。厚みのあるバックフェースではありますが、思っていた以上に操作性は高く、フェース管理やスピンコントロールは同等とも呼べる性能です。キャビティの見た目から来る安心感とは裏腹に、外観では想像できないシャープさを発揮してくれる点が、ギャップを味わえて非常に好印象に映りました」

ツアーベルベット 360 11.5IN ブラック/レッド バックライン無し/口径50

―気になるデメリットは?
「欠点というわけではありませんが、純正グリップの太さが多少気になりました。一般的なグリップは、グリップエンドからシャフト側にかけて徐々に細くなっていくものが主流ですが、これはやや真っすぐに近い寸胴(ずんどう)型になっています。右手側も太くなっていることで、スイングで右手の力感を抑える効果を狙った形状と察します。私は逆に右手を使いたい派なので、購入した場合はグリップは買い替えるかもしれません(笑)。ですが、こういったディテール部分でオートマチックに振っていける要素を詰め込んでいる点は、メーカー側からのメッセージが明確で、とても好印象に映りました」

「評価点にすると平均並みになってしまうけれど、全項目がとてもハイレベル」と西川

―どのような人向き?
「セットモデルっぽい性能と、こだわりがうかがえるグリップというところから、やはりメインターゲットはすでに同社アイアンを愛用している人向けかなと思います。同社アイアンをすでに持っている人で、ウェッジ2~3本を同モデルでそろえたい人や、同社の別モデルを持っていて、追加で1本やさしいモデルを入れたい人など。他社からのスイッチよりは、キャロウェイファンがアイアンの流れで購入を検討するほうが自然な気はします。ただ、他社モデルでもキャビティアイアンを長く使用し、最近マッスルバック構造のウェッジだとミスが多く悩んでいるプレーヤーには、スコアアップへのヒントを見出せそうなので、ぜひ検討してみてください」

扱いやすさと意外なシャープさでオール4【総合評価4.0点】

※平均値は20ydを目安に打った弾道のみで集計

【スピン性能】4.0
【打 感】4.0
【抜け感】4.0
【バンカー対応力】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:花道50度、バンカー56度
・使用シャフト:NSプロ Zelos 7(硬さS)
・使用ボール:タイトリスト プロV1

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。1998年「日本女子学生選手権」にて優勝し、大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場。2002年にプロテスト合格後は、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで活躍。23年国内女子シニア「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ」優勝。

キャロウェイ
発売日:2023/07/14 参考価格: 27,500円