パラダイム Ai スモーク ◆◆◆ ドライバーを筒康博が試打「ロフトアップして使ってみたい」
優れた操作性“SMOKE”ツアーモデル ご意見番クラブフィッターの評価は！？
25万人分、総数100万以上のスイングデータを元に開発されたAiスマートフェースを搭載したキャロウェイ「パラダイム Ai スモーク」シリーズ。今回は石川遼もほれ込む同シリーズのツアーモデル「パラダイム Ai スモーク ◆◆◆ ドライバー」をピックアップする。操作性＋“煙(SMOKE)が立つほど速いスピード感”をヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は！？
「◆◆◆史上断トツの直進性 MAXでもLSでもないTHEツアーモデル」
―率直な印象は？
「小ぶりでスマートなデザインが操作性の高さをイメージできて、すごく好感が持てます。見た目だけなら同シリーズの中で一番好みの形状で、うまく打てたときのフィーリングも本当に気持ちいい。ただ、私のパワーではかなり調子が良くないと、この性能を最大限に発揮できない印象は持ちました。もっと頑張って振らないと理想的な弾道には至らない…といった具合です」
―手に負えないレベル？
「いえいえ。今回試打したロフト10.5度で純正シャフト（TENSEI 60 for Callaway/硬さS）では結果につながらなかったものの、実はそこまでハードな印象は持っていません。スッキリした見た目が好みという点が大きく影響しているからなのですが、レンジボールと比べて初速も打ち出し角も得やすいコースボールでなら、もう少しナイスショットを出せる気になりました。それだけこれまでの『―◆◆◆』モデルにはない、新たな一面を垣間見ることができた気分です」
―他社のロースピンモデルと比べてやさしい？
「カテゴライズすれば、今作は『LS(ロースピン)』のカテゴリーに入りますが、実は低スピンうんぬんというよりは、プロモデルアイアンを使っているオートマチックな動きを嫌がる人を対象にしたドライバーというだけのこと。そこまでボールが上がらない、つかまらない性能という趣きではありません。それ以上にミスヒットに強い、寛容性が高い『Ai スマートフェース』の存在感のほうが大きい。打ち出し角さえ得られれば実戦でも使える気がする。私が購入するならカチャカチャ機能で、1～2度ロフトアップして使ってみたいです」
―他の兄弟モデルと比べると？
「同社の発表会や商品説明では、大々的に“高慣性モーメント”はうたっていないのですが、前作『パラダイム』シリーズのときに、すごく上下の慣性モーメントの高さを感じました。ミスヒット時のロフトの変化が少なく、直進性が高い点は今シリーズでも継続していて、それをそのまま受け継いでいるのが『―MAX』『―MAX D』『―MAX FAST』の3機種。で、あえて『◆◆◆』は、操作性重視のゴルファーのために用意した別プロダクトという印象。2022年発売の『ローグ ST』シリーズのときには、『―MAX LS』といった名称のハードヒッター向けモデルも存在しましたが、『パラダイム』以降は完全に区切った操作性重視モデルとして、『MAX』が名称に付かない『◆◆◆』をラインアップに入れているのだと思います」
―他社でいうと類似モデルは？
「うーん、意外とライバルはタイトリスト『TSR3 ドライバー』ではないでしょうか。顔がスッキリしていて、打感と打音が気持ちよく、操作性が高いという、ヘッド自体の完成度の高さで共通点が多いと思います。他にはヤマハ『RMX VD/R ドライバー』やテーラーメイド『ステルス2 プラス ドライバー』。スッキリした見た目で、プロや玄人に好まれるモデルであることは間違いないでしょう」
―どのような人向き？
「購入後の調整が必要という点で、クラブへのこだわりが強く、各社のヘッドとスリーブ付きシャフトを何本も所有している人向きになるでしょうか。ギア情報のアンテナを常に立たせていて、日ごろから積極的に試打を行っている人向き。正直あまり腕前は関係なく、ドライバーに熱い思いとお金をかけられるユーザー向けかと思います。それほど『―◆◆◆』が付く歴代モデルの中では断トツに直進性が高く、ミスヒットに強いヘッドで、全く手が届かないハードモデルではない。HSが足りない、スコアレベルが違うからといって、鼻から決めつけて除外視してしまうのは少しもったいない気がします」
意外にもMAX D(4.7)MAX FAST(4.8)に並ぶ高得点【総合評価4.7点】
【飛距離】4.5
【打 感】5.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】5.0
・ロフト角：10.5度
・使用シャフト：TENSEI 60 for Callaway（硬さS）
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
■ 筒 康博（つつ・やすひろ） プロフィール
スイングとギアの両面から計測＆解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。「インドアゴルフレンジ Kz 亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。