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なぜいま再燃? マッスルバックがじわじわ来てる4つの理由

2019/11/10 05:00

“飛び系”トレンドの影で… やっぱり男は黙ってマッスルバック!

ウッズモデル「P7TW」やローズモデル「TW-MB」の登場が再燃の口火に?

「ミスに強い」「飛距離も欲しい」――そんな声が現代アイアンに求める常識となりつつあるが、反面でPGAツアー選手が愛用する小ぶりなマッスルバックモデルを求める声も増えている。“飛び系”アイアンが主流となったいま、なぜ再燃の兆しが見えているのか!? マッスルバックをこよなく愛する今野一哉プロに解説してもらった。

理由1. 見直された“球持ち”の良さ

「逆にいまだからこそ…」と見直されたポイントを挙げる今野プロ

―なぜ“いま”注目されているのか?
「イマドキの“飛び系”と呼ばれる大型ヘッドは、許容性があって、しかも飛距離を稼げるというメリットがあります。ですが逆に、ヘッドをコントロールしにくい、ミスがミスとして分かりにくいといったデメリットも存在します。マッスルバックは操作性抜群、打感も良く球持ちが良いインパクトで、ボールを操る感覚を得やすい。そういうメリットが、あえて“いま”だからこそ見直されているのかもしれません」

理由2. ミスしても“許容範囲”に収まる

ゴルフは“ミスのスポーツ”。ミスとの付き合い方も考慮するべき

―他に考えられる要因は?
「“飛び系”と比較して、あえていま評価されている部分はミスした時のダメージの違いです。“飛び系”はミスした時に距離が出すぎてグリーンをオーバーしたり、コースによってはOBというケースが待っていますが、マッスルバックでミスした時には逆に距離が落ちます。ミスしてもグリーン手前、10から20ydショートで花道に止まってくれるので、次打での寄せでカバーしやすいと評価する上級者も多いのです」

理由3. ボールを“操りたい人”に最適

「インから入れようか、いやアウトから…」といったイメージに敏感に反応

―上級者が注目する点は他にある?
「はい。マッスルバックを使用する上級者の多くは、ボールに対していろいろな角度からコンタクトできる点を求めています。ソール幅が薄く、ヘッドも小ぶりなため、地面との“接触”が少ない。その分ボールをダイレクトにヒットできるため、自在にコントロールできる。そのように望むゴルファーにとって、マッスルバックの操作性の高さは最大のメリットになります」

理由4. とにかく“所有感”が高まる

見た目のスマートさは格別。自慢したくなるアイアン

―個人的に注目する理由は?
「そうですね…。個人的というか、マッスルバックを好む人の多くの意見としては、やはり所有感が高まる点だと思います。キャディバッグに入れた時に美しく、プレーヤーの感性を刺激する部分が大きな魅力です。腕前に関わらず、ゴルフを愛する人なら一度は使ってみるべきでしょう」

今昔の差はないが、モデル毎の“違い”は大アリ!?

左が「P7TW」、右が「TW-MB ローズプロト」

―最後に最新マッスルバックの傾向は?
「“飛び系”アイアンのように、今と昔でそれほど大きな差はありません。ただ、鉄の塊なのだから形状的にはどれも一緒でしょ?という訳でもありません。実際に使用する上で操作感を左右するさまざまな違いがあります。例えば、テーラーメイドの『P7TWアイアン』は、スコアラインがかなりヒール寄りまで入っています。すると、ゴルファーは自然と打点がヒール寄りになるものです」

左が「ブループリント」、右が「P7TW」

「ピン『ブループリント アイアン』は、構えてみるとトウ側の頂点が『P7TWアイアン』と比べて低いのが分かります。こういう形状は、フェース下側の打点で打ちたくなるものです。一番下のスコアラインが白くなっていますが、この工夫も相まって、より下側の打点を促しているのが分かります。こうした微妙な形状の違いでスイングに大きく影響するのがマッスルバックの特徴です」

最新マッスルバックの代表例を2つ挙げてくれた今野プロ。次回は最新モデル8本を試打検証&解説してもらう。

後編「注目マッスルバック8モデルを徹底比較」

撮影協力/カレドニアンゴルフクラブ

■ 今野一哉(こんの・かずや) プロフィール

1982年生まれ、千葉県出身。300ydを超えるビッグドライブと自在に球筋を打ち分ける技術を併せもつプロゴルファー。レッスンだけでなくギアやルールにも精通する“ゴルフコンシェルジュ”として多方面で活躍中。エイティーン代表。

テーラーメイド
発売日:2019/05 参考価格: 250,250円
ピン
トップアスリートのための『青写真』ここに完成。ピン史上初の鍛造マッスルバックアイアン
発売日:2019/08/08