topics

今平周吾 賞金王獲得のため替えなかった「RMX 120」を新シーズンで投入へ

2019/12/26 18:10
今平周吾が新シーズンに向け「RMX 120 ドライバー」をテスト

2年連続国内ツアー賞金王に輝いた今平周吾が新シーズンに向けてクラブテストを行っている。情報を聞きつけて都内練習場へ向かうと、数本のクラブとロフト角が異なるヘッドを並べ、トラックマン(弾道測定器)の数値を確認しながら、「ヤマハ RMX 120 ドライバー」を黙々と打ち込んでいた。

今年9月に販売が始まった「RMX 120」。今平はすぐに実戦投入せず、「RMX 116 ドライバー」をエースとして戦ってきた。ヤマハ株式会社のRMXブランド担当である梶山駿吾さんによると、7月の「全英オープン」、「WGCフェデックス セントジュード招待」と海外連戦の後、8月から毎週のようにテストを試みたが、変更の決断には至らなかったという。

もともと「あまりクラブを替えるタイプではない」という今平。学生時代からクラブ変更に対しては慎重で、1シーズンは同じクラブで戦い抜きたいというこだわりがあったそうだ。

トラックマンの数値を見ると、300yd近い飛距離を連発していた

当初、「RMX 120」を試した際は、「少し球が上がりにくい」という懸念材料もあったと今平は言う。ちょうど8月下旬の「セガサミーカップ」から国内ツアーも中盤に差し掛かり、その時点での賞金ランクは2位。トップに立つには、優勝、もしくは安定した上位フィニッシュが求められることを強く意識しはじめた時期でもあった。

梶山さんによると、試打結果では飛距離も伸び、決して悪いデータではなかったといい、「使ってほしいという気持ちはありましたが、強要することはできません。今平選手も気にかけてくれてはいましたが、2年連続賞金王を獲りにいくという意志を尊重しました」。

大型ヘッドへの適応が必要だった

新ドライバーへの手応えも感じ「来年もいい結果が出せる」と話す

「RMX 120」はこれまでのRMX ドライバーからガラリと方向性を変えたことが話題となったクラブ。操作性の高さが特徴の「RMX 116」は、ヘッド体積445ccと小ぶりなハイバック形状だったが、「RMX 120」は455ccと大型化したシャロー形状になり、高慣性モーメントが特徴の曲がりにくい、“今どき”のアスリートモデルだ。

「小ぶりなヘッドから大型ヘッドへと、いきなり替えることはなかなかできませんでした。ただ、データを見ると、大型ヘッドの方が芯も広いですし、飛距離も伸びていたので使ってみたい気持ちもありました」。

今平がドライバーに求めるのは飛距離よりも正確性。飛距離はトレーニングやクラブの進化によって年々伸びているが、それ以上に自身最大の武器となる正確なショットでフェアウェイキープ率を高めることにフォーカスしている。人一倍、体の変化に敏感で、大型ヘッドに替えることによる感覚のズレを避けたかったことは容易に想像がつく。

このオフシーズンの間にしっかり打ち込んで、大型ヘッドに慣れることが目下の課題。今平は「小ぶりなヘッドは操作性が良いのですが、平均するとブレ幅が大きくなります。大型ヘッドの方は、ポーンと打っても曲がりが少ないので、その点では、フェアウェイキープ率も上がってくるんじゃないか」と、投入後に期待を寄せる。

「(「RMX 120」に)慣れてくれば、飛距離も伸びて、方向性も良くなるので、来年もいい結果が出せると思います」。新シーズンに向けてさらなる進化を求める27歳は、来年早々の「ソニーオープンinハワイ」(1月9日開幕、ハワイ州ワイアラエCC)から始まる予定だ。(編集部・尾柴広紀)

ヤマハ
曲がらず安心して叩ける
発売日:2019/09/06