12代目ゼクシオはこうなる! こう見る!ギア有識者たちの考察
R&A公認リストの掲載画像、ダンロップ公式サイトのティザー動画、女子ツアー会場での目撃と、徐々にその片鱗が見えてきた12代目「ゼクシオ」。全貌が公開される11月4日の正式発表を前に、ギアに精通する有識者5人に注目するポイントを挙げてもらった。
■老舗ブランドとしての変化と継続
ゴルフギア界のご意見番・マーク金井氏は「変わる部分と変わらない部分の二面性を感じる」と独自の考察を展開する。
「これまでは、団塊の世代と呼ばれる現70歳代のゴルファーをターゲットとしてきました。前作『ゼクシオ エックス ドライバー』から若年層の取り込みを始め、今回も“変わる”部分として、(ティザー動画を見る限り)クラウンに新しいテクノロジーとカチャカチャ機能が付くことは明らか。一方で、クラウンの素材は従来通りフルチタンのままに見受けられます。他社モデルの多くがカーボンへシフトしているなか、打感や打音にこだわる部分は捨て切らない既存ユーザーに対する“変わらない”部分への配慮が垣間見られます」
■ターニングポイント的モデルになりそう
人気クラブコーディネーター・鹿又芳典氏は「現在のゴルフ市場を意識したターニングポイント的モデルになりそう」と大転換を予測する。
「やはり一番気になる点は、クラウンにある“翼”の部分。これまで慣性モーメントを高めたり、たわみを増幅するテクノロジーとして、ソール側に配したケースは多かったのですが、クラウン側に施したケースは目新しいです。長年研究を続け、バランスの良さに長けた『ゼクシオ』が、かじを切ったことに大きな意味を感じます。5年後10年後に振り返ったときに、“あの12代目”が大きな転換期になった、と言われるような“新しさ”を装備している予感がします」
■過去モデルの流れにヒントあり
トレンドウォッチャー・コヤマカズヒロ氏は、最新モデルの性能について「過去モデルをひも解くと見えてくる流れがある」と私見を述べる。
「『ゼクシオ』シリーズは、5代目で大きさ460ccのヘッドサイズを初採用し、長さ&テクノロジーも含めて7代目『―セブン』でほぼ完成形となりました。8代目『―エイト』以降は、効率よくクラブを回転させるためにヘッド&グリップの重量を増やしたり、切り返しでコックの解放を抑えて安定感をプラスしたり、打点のバラつきを生むプレーヤーの体のブレに着目するなど、スイングを意識した開発を進めています。12代目もその部分は大きく変えず、スイングを意識した新たなテクノロジーが生まれると期待します」
■シャフトのラインアップに注目したい
ゴルフギア専門誌「PCM」編集長・村田辰也氏は「ヘッドばかりに注目が集まっていますが、シャフトにも注目したい」と語る。
「今回の『ゼクシオ エックス』にカチャカチャ機能が付くということは、純正シャフト『Miyazaki』以外にも、装着シャフトのバリエーションが増えるということ。これまで他社から移行したいと思っていても、自分に合ったシャフトが見つからないという理由で、断念していたゴルファーは多いと思います。そんなユーザーにも『ゼクシオ』がリーチできるという意義は大きい。特にいま海外ブランドを使用しているゴルファーに、どれだけ魅力を伝えられるのか。そのカギが意外にもシャフトのラインアップにかかっている気がしています」
■『スリクソン』要素をどこまで注入するか
「クラブ試打 三者三様」でもおなじみ筒康博氏は、「松山英樹選手の効果で人気の『スリクソン』シリーズの要素をどこまで入れてくるかに注目したい」と別ブランドとの関係性に目を向ける。
「前回『イレブン』と『エックス』の2モデル展開されましたが、12代目ではその差をより明確にしてくることが予想されます。『ゼクシオ 12(仮)』は正統進化として、性能面であえて従来モデルとは大きく変えず、ビジュアル面などの要素でやや『スリクソン』を意識してくる。『エックス』は性能面でも近い形を取り入れ、初のカチャカチャ機能付きや、ヘッド形状もディープな構造にし、『G425 LST ドライバー』『タイトリスト TSi3 ドライバー』のような少し歯ごたえのあるヘッドに仕上げてくる。外見、性能どちらかの要素で、『スリクソン ZX』を意識してくる可能性を感じます」