テーラーメイド/10年先のマーケットを見越したゴルフ活性化プロジェクトに着手『ゴルフ業界トップに聞く2014年の展望』
GDO「具体的な戦略を教えてください」
山脇「少しずつ、色々なカテゴリーで伸ばしていくことを考えています。アメリカではメタルウッドカテゴリーのシェアが40%ありますが、日本では20%にすぎません。2013年度実績でみるとアイアンでも数量ベースで2番手ですし、ボールは1~2%、パターに至っては一時期25%程度あったマーケットシェアが15%まで落ち込んでいます。まずは“アダムスゴルフ”は体制を整えて、売上や利益を確実に伸ばしていきます。“アシュワース”はブランドアンバサダーに俳優の椎名桔平さんを起用することでブランドの知名度を上げ、幅広い方々とのコミュニケーションをはかります」
GDO「強みを強化するか、弱みをカバーするかのどちらでしょうか」
山脇「今の流れでは、弱い分野については自然に成長すると考えています。今年に関しては最大の強みであり、ほかのブランドと差別化ができるメタルウッドカテゴリーにおいて“LOFT UP”キャンペーンで更に強化をします」
GDO「2014年のゴルフ市場をどのように予測しますか」
山脇「昨年で震災の影響による落ち込みがほぼ解消され、震災前の数値に戻りましたが、更なる伸びは難しいと思います。消費税率引き上げなども影響し、フラットな市場が予想されます」
GDO「アメリカとは大きく異なる日本市場をどのようにとらえていますか」
ショーン「品質に関する要望が高く、詳細までこだわるなどの明らかな違いを感じます。日本の消費者はとても洗練されているので、クオリティの高い性能とデザインでないと満足しませんので、マーケットから多くのことを学ぶことができます」
GDO「常に人々を驚かせ、注目を集めることができる理由を教えてください」
ショーン「従業員一人一人の創造力と、様々なことへの興味が企業を形成しています。ゴルフだけでなく、ゴルフ以外の分野からも色々なアイデアを見つけて仕事に生かすこともありますし、“楽しむ”ことを大切にする社風です。時には普通ではないと思われるアイデアもありますが、それが結果的に活性化につながっています」
GDO「ゴルフ活性化プロジェクト“HACKGOLF”についてどのようにお考えですか」
ショーン「すでに4,000以上のアイデアが世界中から集まっており、とてもワクワクしています。その中から1ヶ月くらいの間に実現したいと考えているのが最終的にどのような名称になるのか決まっていませんが“WHACKET BALL(ワケットボール)”というアイデアです。スキー場におけるスノーボードのイメージです。大きなクラブを使って、大きなボールを使い、15インチ(38.1cm)(※通常は10.8cm)の大きなカップに入れるゲームです。実験的に実施してみて、好評でしたら継続しますし、評判が悪ければほかのアイデアを実施します。このアイデアの優れたところは、ゴルフコースを使用できるところで、スキー場におけるスノーボードのようなイメージです。実際にテストでプレーしてみましたが。ボールがとても大きく、簡単にプレーできるのでプレー時間も短縮でき、達成感も感じることができますのでとても楽しいです」