イオミック/高級グリップでアメリカのシェア拡大中『ゴルフ業界トップに聞く2014年の展望』
~インサイドストーリー@ジャパンゴルフフェア2014~
「第48回ジャパンゴルフフェア2014」にて、ゴルフ業界で影響力のあるキーパーソンを直撃し、2014年の野望を聞き出す特別企画。普段は聞くことのできない話題の新製品の「インサイドストーリー」も合わせて取材します。
●株式会社IOMIC 代表取締役 CEO 鉢呂敏彦(はちろ としひこ)
1960年生まれ。農機具などのグリップ生産に従事するも、中国製品に押されて売り上げが悪化。趣味のゴルフがヒントになり2003年にゴルフグリップを商品化し、2004年にIOMICを設立。現在に至る。
GDO「2013年の振り返りをお願いします」
鉢呂「2012年の年末に政権が交代したときに、株価も為替も上向いてきて、景気がよくなることを予想しました。2013年の新製品開発においては通常よりもラインナップをかなり広げて、先行投資をおこなった結果、2013年のゴルフ市場全体では大きな伸びはなかったにも関わらず、満足のいく結果となりました」
GDO「2014年の見通しは」
鉢呂「海外メーカーよりOEMを受注することができました。また、タイ工場が稼動して1年半ほど経ち、軌道に乗ってきたため、年間生産本数の予測が100万本を超える勢いです。日本の工場もフル稼動により合計生産本数が350万本を超え、生産体制が強化されたことで見通しは明るいと考えています」
GDO「どのようなメーカーのOEMを請け負っていますか」
鉢呂「“アダムスゴルフ”の高価格帯ラインナップにはすべてイオミックグリップを装着しています。アメリカではイオミックは16ドル前後で販売されており、高級品グリップとして認識されているため、アダムスロゴでなく、イオミックロゴでの納品をリクエストされました。収益拡大に加えて、ブランド認知拡大にも大きく貢献しています。また、“ラムキン”とのコラボレーションも軌道にのり、売上は前年比で約1.5倍となり、売上本数は約100万本となりました」
GDO「日本と海外のマーケティングは分けて考えていますか」
鉢呂「携帯市場などの例がありますが、日本市場はガラパゴス化しており、独自性が高い傾向があります。アメリカ、ヨーロッパ、アジアなどの諸外国と、日本の基準は全く違いますので、エリアと国によってマーケティングの手法を変えています。中でも一番難しいのはヨーロッパ市場だと感じています」