topics

イオミック/高級グリップでアメリカのシェア拡大中『ゴルフ業界トップに聞く2014年の展望』

2014/03/17 16:18
2014年はエンドユーザーの声を反映した商品開発を強化

GDO「今後のグリップ市場をどう予測しますか」

鉢呂「OEMについては各メーカーさんの生産、出荷本数に応じて全体の数字が変化しますが、大きな変動がある市場ではありません。交換を目的とするゴルファーにグリップを販売する市場を“アフターマーケット”と呼びますが、年間約130億程度のシェアの9割を世界で流通している大手グリップメーカーである“ゴルフプライド”、“ラムキン”、“ウイングリップ”“イオミック”の4社で占めているのが現状です。ゴルフプライドの“ツアーベルベット”は当初700円前後で販売していましたが、一時は350円程度まで価格が下落しました。ゴルフ市場全体が拡大し、クラブの出荷本数が増えればグリップ市場も拡大する可能性もありますが、ここ数年ではそのような動ききはみられません。10ドル以下が主流のグリップ市場の中で、イオミックは高級グリップとして1,500円で販売することで売上シェアを拡大していきたいと考えています」

GDO「2014年の戦略は」

鉢呂「今までは、メーカーとして、自分達の考えが、お客様にとって最善だと思い込んでいましたが、今年からはエンドユーザーの声をもっと反映するよう、方向転換をしていきます。例えば、主力である“スティッキー”ではスタンダードに加えて、+5(堅い)、-5(やわらかい)商品ラインナップをつくり、見た目は同じでも、使ってみると若干のフィーリングの違いを感じる製品を開発しました。また、“ウィンターバージョン”は、暖色系、例えばオレンジと赤のカラーリングを採用し、やわらかいフィーリングを加えることで、寒い冬でも見た目が温かく、握ったときにソフトに感じることで、楽しく、ラクにゴルフができて、トップしたときでも手に響きにくいグリップになっています」

GDO「業界全体の活性化にむけた取り組みはされていますか」

鉢呂「我々はサプライヤーであり、黒子に徹するべきだと思っていますので、全面に立った活動は控えています。ゴルフグリップをつくって、各メーカーさんに収めていますので、メーカーさんを追い抜くようなことはしないというのが基本的な考え方です。例えばどのドライバーを使っているかという話になったときに、“ダンロップ”、“テーラーメイド”などのメーカー名が話にでることがあっても、“ブリヂストンのヘッドにグラファイトデザインのシャフトで、イオミックのグリップをつけている”と答える人はほとんどいません。我々は縁の下の力持ちでありたいと思っており、メーカーさんが実施するゴルフ業界活性化のための活動への協力は惜しみません。ジュニア協会などと協力して、小学生から大学生までのジュニアゴルファーにゴルフを楽しんでもらうためにグリップを使ってもらうような、大会やイベントへの協賛などの地道な活動はおこなっています」

(GDO編集長/向井康子)

1 2