「新発想はメッキの神様のおかげ!」 ~本間ゴルフ編~ 2012年 Vol.2
2012/07/11 09:00
GDO:HOT LISTでメダルを受賞した「BERES W103ウェッジ」は、業界初のWメッキ仕上げで、プロ、アマチュア問わず大変話題になりました。そもそもどのような経緯でこのクラブの発想が浮かんだのでしょうか?
諏訪氏:他のクラブの開発同様、特別なことは何もありません。ここ酒田工場では開発のためのクラブテストフィールドを3年前に新設し、300ヤードを越すドライビングレンジに加え、バンカーやアプローチのテストフィールドも大変充実しています。多くの契約プロがここへ来て、クラブのフィッティングや開発のためのフィードバックを行うのですが、彼らのウェッジへのこだわりは大変高いものであると痛感したことが発想の始まりでした。様々な条件のもとでも、絶妙な距離感の調節ができるウェッジを求めています。ノーメッキのウェッジはスピンも効くし、打感もいいけれど摩擦が多くて抜けが悪いと感じる時があります。また、フェースが柔らかいので消耗が早い。世界に誇れる本間のメッキ技術を応用して、最高のウェッジを作れるのではないか、と思いました。
GDO:そこでフェースとソールに異なるメッキ加工を施したウェッジを思いついたのですね。
諏訪氏:そうです。フェースは打感を維持し、錆を防いでスピン性能が高くなるようニッケルメッキ加工、ソールはウェッジの命であるバウンスの良い状態が保てるようなハードクロム加工を施しました。酒田工場には「メッキの神様」と呼ばれるカリスマがおりまして(笑)、彼がいたから、クラブに異なるメッキ加工を施す、なんて常識外れの発想が生まれ、そして実現したことは言うまでもありません。