「FWには、まだまだ飛ばせる伸びしろがある!」 ~テーラーメイド編~ 2012年 Vol.7
GDO:ロケットボールズのドライバーには、フェアウェイウッドのような溝が搭載されていませんよね。HOT LISTのテスターのなかには、不思議がっている人も多くいたようですが。
吉田:チタン製のドライバーはクラウンもフェースも薄く作れるうえにフェース面が大きく、わざわざ溝を設けなくても高い反発力を得られるからです。フェアウェイウッドのフェースは、ドライバーに比べると3分の1か4分の1ほどの面積しかありません。その小さなフェースでドライバーの弾きに近づけるために搭載したのがソールの溝だったのです。
GDO:なるほど。ロケットボールズのフェアウェイウッドは、「ロー・フォワード CGデザイン」と溝との両方の効果があってこそ飛ばせるのですね。
吉田:はい。それにこのフェアウェイウッドは溝を搭載した初代モデルですし、まだドライバーに及ぶほどのフェースの弾きを備えていません。設計に改良を重ねれば、さらにフェースの反発を良くしてボール初速をアップさせることが可能だと考えています。
GDO:さらに飛ばせるフェアウェイウッドが開発可能ということですね。それは期待が膨らみます(笑)。最後にシルバー賞を受賞した「グローレ アイアン」についても話を伺えますでしょうか。
吉田:「グローレ アイアン」は、テーラーメイド本社の開発陣と一緒に、ゼクシオよりもやさしく飛ばせるモデルを作ろうとの思いで開発したモデルです。ステンレスボディに0.8mmという極薄のマレージングフェースを使い、中空構造とキャビティのコンビネーションになっているのが大きな特徴で、メタルウッドで培われた性能を継承したアイアンとも言えます。ただ、ゴルファーによっては、このモデルの少しボッテリしたヘッド形状に違和感を持つ方もいらっしゃったようで、それが今回ゴールド賞を取れなかった理由かも知れません。ヘッド形状の良さと性能の両方を備えるのはかなり難しいことですが、それが次作への改善ポイントになると思います。